大正野球娘。 第12話「土と埃にまみれます」

感動の最終回。

魔球を見破られ、応援してくれる人もなく、次第に追い詰められていく櫻花會。そしてとうとう、雪さんがファインプレーの代償に手首を傷めてしまって・・・。

「わたしたちが男子と試合ができるのは、これが最後の機会かもしれないのよ」

「骨が折れていたってやるさ」
「よく考えてみろ。ろくにボールも扱えなかった彼女たちが、ここまでのプレイができるようになるのに、どれだけ努力をしたのか」

分かっていても、このシーンは熱いものがこみ上げる・・・。男尊女卑が深く根付いた世界において、この試合を実現させるのがどれほど困難だったか。そして、素人の女子が強豪の朝香中と「普通の試合」ができるようになるために、どれほど練習してきたか。今まで重ねたエピソード、その全ては今日この日のためにあったのです。

そして、ここから再び追い上げるシーンは最高に気持ちよかった。9人の・・・いや、記子さんも含めた10人がそれぞれの個性をしっかり発揮してて、今までのお話を思うと感慨深い。鏡子がフライを捕る、ただそれだけのシーンが感動するのは、ここに至るまでの確かな積み重ねがあるからだよね。

大口先生や小梅の父が応援に来るのもお約束ではあるのだけど、やっぱり感動しちゃうんだよなあ。

「わたくし、あの時のことなど全く気にしていませんから」

巴には「ずっと気にしていたじゃない」なんて言われてたけど、たぶん半分は晶子さんの本心。確かに最初は岩崎に対する反発心から始めた野球だけど、意地や反発でここまでできるとは思えない。最後の方は当初の目的を忘れて、ただ勝つことしか考えてなかったんじゃないかな。

エピローグがもうちょっと欲しいなあ・・・なんて思うのは贅沢ですかね。小梅さんの服がセーラー服に変わっていくように、少しずつ古い文化が変わっていく・・・という含みを持たせつつのラストでした。