とらドラ! 第25話「とらドラ!」

「手に入れるべきたった一人が、ちゃんとそれを見つけられる」
「そういうふうに、できている」

それはとても優しくて、とても甘い。甘くて、苦くて、単純明快複雑怪奇なシロモノで。そう簡単には見つけられないけど、途中で迷ったり立ち止まったりすることもあるけれど、探し続ければいつかはちゃんと見つけることができる。


そんなわけで、とうとう最終回。大河と竜児の駆け落ちから、「家族」というテーマを踏まえて「卒業」へと移行し、ラストシーンは作品の象徴である「星」を中心にしてまとめていく。一連の流れがすごくきれいで、感想サイト必要ないなと思ってしまうほど。

とらドラ! 第22話〜24話における櫛枝実乃梨の心象風景」で自分の中のモヤモヤした思いはあらかた吐き出しておいたので、最終回はまとまりない感じでダラダラ書いていこうかと思います。

今まで恋愛方向で話を作っていたのを、いきなり駆け落ちに話を振ってきたのはビックリしたけど、考えてみればこの作品のもうひとつの柱が「家族」だったんだよね。竜児が私生児だったという生い立ちや、親戚筋と疎遠になっている状況から、泰子の背景に関しても複雑な事情が想像できるのですが・・・まあ、ここでは止めておきましょう。それよりも大河と竜児が、恋愛のみが支配するセカイから一歩踏み出して、「大人」や「結婚」という存在に対して向き合ったことが重要な気がします。ママゴトのような駆け落ちも、ニセモノの結婚式も、大河にとっては大人になるための大切な儀式だったのだから。

竜児が自分の両親に向き合ったように、大河も自分の両親と向き合おうとする。竜児の家に転がり込んだのは、自分のなくした家族の存在を埋めたかったから。確かに始めは自分の家族から逃げていただけかもしれないけど、いま竜児を選んだのは決して逃避のためじゃない。二人で新しい家族を、皆に認められて祝福されるような家族を作っていくために竜児を選ぶと決めた。だから、もう逃げたりしない。

夜空にたったひとつ、頼りなく輝く星は大河自身。それはとても儚く頼りないけれど、でも決してひとりじゃない。大河という星の輝きはみんなの心にちゃんと残ってる。


ところでこのシーン、珍しくみんなの前でクサイ台詞を喋ってしまって、赤くなるみのりんがかわいすぎる。つい本音出ちゃいましたね。

うーん、思いつくまま書いてみたら、やっぱりまとまりないな(笑)大河についてはあまり深く考えたことなかったからなー。でも、この物語を通して俯瞰してみるならば、やっぱり主人公は大河と竜児だったんだよね。