とある魔術の禁書目録 総感

とにかく楽しかった!毎回時間の経つのがあっという間で、次を見るのが待ち遠しかったです。

エロゲーもビックリのエキセントリックでヘンな語尾ばかりのキャラクターに、科学と魔術が交差する異能力バトル、そして難解な設定にルビの嵐。「灼眼のシャナ」の時もラノベの世界観に圧倒されたのだけど、この作品はそれをさらに押し進めた感じがします。

世界観が受け入れられない人は全然楽しめない代わりに、はまればメチャメチャ楽しめる。多くの人に支持される作品ではないかもしれないけど、特定の層に特化してチューニングされた作品作りは嫌いじゃない。その上、チューニングが自分に合っているなら超ハッピーですよ。

およそ3〜5話の単位でまとめたエピソードを重ねていくシリーズ構成。そんな短い時間の中で、キャラクターの紹介や設定の紹介をして、お話の構成もするというのは非常に厳しいようにも思えるのですが、不思議とすんなり入ってしまう。エキセントリックなキャラクターや、謎に満ちた設定を楽しんでいるうちに、気づいたら物語の中に引き込まれてしまう。何しろ、たった3話で正気を失った感想書いちゃうくらいだもんなあ・・・。

エキセントリックな魅力溢れるヒロインたちだけでなく、主人公の当麻と対を成すカウンターヒーローとでも言うべきアクセラレーターの存在も大きかったな。御坂妹やラストオーダーと言った裏ヒロイン(?)が魅力的なのも、アクセラレーターの存在があったからこそ。科学と魔術が交差するように、様々に交差する人の思いや、それぞれの物語を内包する世界観の懐の深さを感じさせてくれますね。・・・ってミサカはミサカは感慨にふけってみたり。

敢えて難を言うとすれば、オムニバス形式の物語になってしまったために、メインヒロインのインデックスが後半になるにつれて存在意義を失いつつあったことかな。それぞれのエピソード単体としては本当に楽しかったんだけど、シリーズ全体を通してみた時の軸となる全体の流れみたいなものが感じられれば、もっと大きな感動があったのかもしれないなあ・・・と思ってしまうのは贅沢なのかもしれません。

とはいえ終わってみれば、とにかく「楽しかった」という感想に尽きる。あざといまでに「萌え」を強調するキャラクターの奥にある純粋な思い、サービス精神溢れる美しい作画、設定の妙を生かした戦闘シーンのカタルシス。アニメでしか味わえない快感を、思う存分堪能できた作品でした。