とらドラ! 総感

まとめ・・・って言われても、どうまとめたものか。それほど色々な思いが交錯した作品。


作画は毎回質が高く、演出の盛り上げ方もお見事。アニメっぽいキャラクターデザインと演出のけれん味を生かしつつ、恋愛ドラマとして上品にまとめていたのが印象的でした。

説明不足と言われがちなお話も個人的には気にならなくて、感想サイトとしてはこのくらい考える余地を残してくれた方が嬉しかったり。キャラクターの心情を語るのは、脚本だけじゃない。「ヒャッコ」なんかもそういう作品だったんだけど、脚本が語らない分は演出が饒舌に語ってくれるのです。

脚本と演出で、キャラクターの内面を巧みに描き出す。一日くらい頭の中でリプレイしてこねくり回すと、キャラクターの内面がぼんやりと浮かんでくるのです。もちろん、そうやって思いを馳せることができるだけの魅力があった・・・というのは大前提ではあるのですが。

そんなわけで、この作品において最も魅力的だったのは個性溢れるキャラクター。どのキャラクターも一筋縄ではいかなくて、表面上に見える部分から、さらにその奥を見せてくれます。

そして、そんなキャラクターたちの個性が複雑に絡み合って1つの物語を作り上げていくカタルシス。1つのお話を、それぞれの立場から視点を変えて眺めるだけで、全く違う印象を受けるのではないでしょうか。それぞれが個性的で、魅力的で、どのヒロインに思い入れてもちゃんと結末が用意されている。アニメ本編もさることながら、感想サイトを眺めていると、思い入れるキャラクターによって色々な観点から見た感想が読めるのも魅力のひとつでした。

感想サイトとしては・・・すごく面白いんだけど、重い作品でもありましたね(笑)。色々な情報が出てきて、色々な想いが頭をよぎるから、それぞれの想いを消化して、感想と言う形にまとめるのはすごく大変だったなあ・・・。ただ、その分思い入れのある作品でもありました。