とらドラ! 第20話「ずっと、このまま」

このアニメ、説明不足だの原作はしょりすぎだのという意見をちょくちょく見かけます。でもそんなに説明不足?確かにエピソードを省略しまくってるらしき部分は随所に見られるんだけど、言葉よりも演出が何より饒舌にキャラクターの心情を語っている。今回の話で言えば、ことさらに実乃梨の表情を隠す演出とかが分かりやすい例かな。ぼんやり見てても普通に頭に入ってくるんだから、もう少しメタファーを意識して見れば冗長にすら感じられるかもしれませんね。

ま、それはともかく。竜児への思いを自覚してしまった大河と実乃梨。表面上は普通通りに竜児に接しているようですが、そんな上辺の取り繕いは「いつまで持つことやら」といった感じ。大河は自分の思いを吹っ切りたくて竜児をけしかけてるようにしか見えないしなー。

実乃梨は実乃梨で、竜児のことを意識しまくり。「いつも通り」を意識している時点で、それはいつも通りでは無くなってしまうわけで・・・。最初の方でもちょっと書いたけど、表情を隠していること自体が竜児に惹かれている何よりの証明で、後は竜児が押すだけだと思うんだよな。手が触れたときに顔を赤くするみのりんがかわいすぎる!

そんな二人の思惑を知らないままに、前に進もうとする竜児くん。膠着した三角関係を動かすには、誰かが足を進めないといけない。二人の本心を知ってしまえば前に進めなくなるだろうから、竜児が「知らない」ということが非常に重要になってくるわけですね。

追記

実乃梨の本質が「逃げ」ではないか?という話は以前したように思えるけど、前回と今回でそれが如実に表れた感じですね。今回の話で言えば大河だって逃げてるわけだけど、大河のそれは自分も竜児も変わらなければ!という積極性が感じられるのに対して、実乃梨は以前の状態に戻ろうとするだけの消極的な「逃げ」に思えます。

じゃあ実乃梨は一体何から逃げているのか?という部分を考えていくと・・・結局10話の解釈で止まってしまう。本質に触れられそうで触れさせてくれない、何とも不思議なキャラクターです。

追記2

少し考えれば分かるメタファーをあっさり見逃したことに気づいてへこんだ」などと書いたことを思い出したので、少し追記してみる。
過程は省いて結論だけ言っておくと、18話で実乃梨が大河の星を壊すシーンのこと。今までの話をふまえると、「星」は5人の関係性を示すメタファーとしてしばしば使われてたことに気づくはず。だから、あのシーンは「大河が大切にしていたもの*1を壊す」という以上に「星」をバラバラに壊してしまうということ*2に意味があるんだよね。じゃなきゃ竜児が直すだの直さないだの言ってるシーンがおかしくなっちゃう。

*1:ヤボな注釈だけど、竜児のことね

*2:さらにヤボな注釈だけど、「五芒星」ということね