神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 総感

これほど落ち着いた気分でまとめを書けるのは、今シーズンの作品で初めてかも。

改めて思い返してみると、驚くほど各エピソードに対する印象が希薄なことに気づく。でも、物語の中身がないということでは決してなく、それは最終回ラストシーンでのフォロンとコーティ、ペルセとプリネを見たときに湧き上がる気持ちが何よりも示してる。

もちろん3話6話のように、エピソード単体として素晴らしい回も多かったけど、それよりもシリーズ全体として作品を眺めたときに浮かんでくるものが大きい気がします。

うーん、過去の感想を読み返してみると、やっぱりエピソード単体でも面白かったはずなんだよな。それでも、最終回を迎えて感じるのは、この「ポリフォニカ」という世界に溢れる、精霊と人間の思い。フォロンのコーティに対する思い、コーティのフォロンに対する思い、ユギリ姉妹のお互いに対する思い・・・そんな色々な思いを内包した、1つの大きな世界が感じられるのでした。

話題作の多い今シーズンでは、こういう王道を行った着実な佳作は地味な印象を与えてしまうかもしれないけど、それでも最後まで見続けたなら、心に残る何かがきっとある。自分にとっては、そんな大切な作品のひとつでした。