FORTUNE ARTERIAL 赤い約束 総感

名和監督をはじめとする「おとボク」スタッフらしい、実に優等生的なエロゲーアニメだったなあ。特に本シーズンは新しい試みの作品が多かっただけに、本作品の着実な作りが逆に印象に残りました。

孝平と瑛里華の話を中心にして、2人を取り巻く「絆」を描いていく物語。その方向性を決定づけた3話のエピソードは、本シリーズ全体のキーとなって8話や最終回の伏線となっていきました。それだけに、伽耶さんが孝平の説教(笑)だけでアッサリ瑛里華を返してしまったのは消化不良気味ではあったのですが・・・。

瑛里華を中心にしつつも、脇役の子もみんなかわいくて。かなでさんとか、白ちゃんとか、かなでさんとか!かなでさん、生天目仁美がこういう子を演ってるっていうのもビックリだよ。これはかわいすぎる。原作ではこの子らも攻略してセックスまでできてしまうんだもんなあ。信じられないよ・・・。

それはともかく、アニメ本編でも他のヒロインたちにスポットを当てた回があってもよかったなあ。あんなに天使なかなでさんを差し置いて、人気投票では陽菜ちゃんが1位らしいじゃないですか!アニメだけ見てると、この子にそれほどの魅力があるというのが信じがたいのですが・・・・・・。うーん、気になりますね。

エロゲー原作のアニメはテレビアニメ化すると声優が変わる風習がかつてあったように思えますが、最近ではそのままキャストを使い続けることが増えてきましたね。エロゲー声優に疎い自分としては、そういう機会はかなり貴重なので楽しませていただいてます。

おそらく膨大であろう原作のシナリオを、1クールという短いアニメにまとめるのはすごく難しい。だからこそ色々な形態が存在してて、本作品のような作り方も正解のひとつではあるのでしょう。魅力的なヒロインがたくさんいて、膨大な設定があって、その中からメインヒロインたる瑛里華のエピソードだけを抜き出していく。その方向性にブレはないけど、よくも悪くも優等生的な作品でしたね。吸血鬼ヒロインモノという素材自体が手垢の付いたテーマなので、その設定に王道な話を乗せてみると、確かに面白いけどもう少し何か・・・とは思っちゃう。

ただ、上にも書いたとおりかなでさんのかわいさは凄まじかったし、白ちゃんがスカートをギュッってするシーンとか、瑛里華が吸血衝動で身悶えするシーンとか、露骨じゃないけどエロティックな雰囲気は特筆するものがありました。

そして忘れちゃいけないのがEDのエロさ。このエロさが本編にもう少しフィードバックされて、各ヒロインのドキドキエピソードからシームレスにEDへ移行する展開とか・・・そういうのも見てみたかったです。

TVアニメ「FORTUNE ARTERIAL ~赤い約束~」エンディング主題歌 『I miss you』(生産限定盤)

TVアニメ「FORTUNE ARTERIAL ~赤い約束~」エンディング主題歌 『I miss you』(生産限定盤)

なにげに毎回歌い手が変わっていたりとマイナーチェンジしてて、そういう細かいサービスも楽しかったですよ。富樫美鈴のソロとか!

そんなところかな。各所に光るモノを感じつつ、基本的には優等生的な作品。地味な佳作と言えるのですが、もう少し何か欲しかった、とも思えますね。原作ではどうなってるのかな。