となグラ! 第06話「お姫様だっこ?」

最近妙に盛り上がっているとなグラ。まさかこのアニメの感想書くのに悩む日が来るとは思わなかったよ!お約束を周到しつつも、所々に独自の解釈を加えて一つのドラマを作ろうとする意気込みが伝わってきます。今まで封印してきたパンチラを解禁することで「いつもの二人に戻った」という状況を象徴させるのもうまいなあ。

今回、ちはやの口から「香月は思い出にこだわりすぎ」という核心をつく台詞が!やっぱり「10年前から止まってしまった香月の時間」というのは深読みではなくスタッフの計算だったようです。思えば1話の構成を香月視点にしてたのも、香月の思い込みという本作のメインテーマを印象付けていたんだなあ。普通は幼なじみの香月が一番勇治のことを分かっているという話になるはずですが、先入観も思い込みもないちはやの方が勇治の本質を捉えてるというのもまた皮肉な話ですね。

香月についてもう少し。香月はいわゆるツンデレ*1ではなく、思い出の中の勇治と現在の勇治とのギャップに適応できていないだけ。なので、自分の非を認めれば素直に謝ったりしてくれるわけですよ。

香月について語る上で注意したいのが、初音さんのミスリード。もう大原さやかの声だと何言われても信用できなくなりそうです。「心を許してる仲だから」とアリシアさんは言いますが、香月が不機嫌な顔をするのは勇治に心を許しているからではなく、勇治を目の前にしてどんな顔をしていいか分からないからでしょ。それが素顔だと言うなら確かにそうなのでしょうが・・・。なんともうまい詭弁。これは勇治をミスリードさせるためのアリシアさんの作戦で、見ている我々まで一緒になってミスリードされてはダメですよ!

勇治といえば、今まで今まで語られなかった勇治の心境が語られたのもなかなか気になります。彼のスケベさは大人の象徴ではなく照れ隠しだったとは!過剰なエロさは、自分の気持ちを持て余してしまう子供っぽさを隠すための防護壁であり、彼なりの他人との距離の取り方。大人の象徴として香月を引っぱる役目だと思っていた勇治ですが、彼もまた成長過程の子供として描かれるようです。

思い出に捕われて子どものまま時間が止まってしまった香月と、自分が子供であることを隠そうとするあまり表面だけ大人になってしまった勇治。このアニメは、そんな不完全な子供であるふたりが大人へのイニシエーションを果たすため、お互いに成長していく物語なのかもしれません。

  • アリシアさんが侑子さんに!
  • アリシアさんに勇治のお世話を頼んだのが、まりえちゃんってのがちょっと深いかも。ちゃんと兄妹してるんだー。
  • 辻あゆみ、宣伝部長?

*1:「好きなのに素直になれない」タイプ。「いわゆる」というのは、原理主義的観点では「好きなのに素直になれない」はツンデレの定義から外れるからなのですが、それはまた別の話