舞-HiME 第22話「くずれゆく......」

最後の盛り上がりに向けて着々と物語は進む。というお話ですが、「大切な人を守るためならなんでもする」というテーマで全体をつなげてる感じ。大切な人を確認するエピソードは何回かあったんだけど、今回ほど「何でもする」を明確に出してきたのは今回がはじめてではないでしょうか。

今後「大切な人のためなら何でもする」→「みんなが幸せにならなきゃ!」みたいなパラダイムシフトが展開されるのでしょうかね。

ところで、アニメの主題の流れとして、「みんな幸せ」→「君と僕が幸せ」に主題が移ってきたのは90年代中盤からだったでしょうか。「みんなが幸せになるなんて絵空事だ。君と僕が幸せなこの気持ちこそがリアル」という、いわゆるセカイ系*1。それは自分の殻に閉じこもりがちなオタクにとってはとても心地よい世界なこともあってか、特にエロゲーなんかでは主流になってきた感じ。話が作りやすいというのももちろんあるでしょう。

ただ最近は、その世界から抜け出そうという意識がオタクの中にもあるんじゃないかなあ、って気がする。こみパとかげんしけんとか、オタクである自分を客観的に(またはメタ的に)見つめるとどうなるか、社会の中で自分達はどの位置にいるか、っていう主題がまた受け入れられつつあるのかなあ、っていう。

んで何が言いたいかっていうと、「大切な人のためには他人を犠牲にしないといけない」っていう命題に対して「そんなのだめだよ!みんなが幸せになる方法があるはずなんだよ!」っていうのがクラシックなアニメで、「みんな死んでしまったけど、僕達二人はがんばって生きていこう」っていうのが最近のアニメ*2舞-HiMEでは、現在は後者のスタンスをとっているけど*3、最終的にはどうなるのかな。「社会」という存在がオタクの中で大きくなりつつある現在*4だから、そろそろまた「みんなで幸せになろうよ」っていうテーマにシフトしてきてもいいのかもなあ、っていう気がする。

とはいえ、ここまで悲劇を見せちゃったら、力を手に入れた舞衣が望むものはみんなの幸せ、みたいなエンディングはごめんこうむりますがね・・・。ドラゴンボールじゃないんだから、巧海復活、なんて展開はほんとにやめてほしいです。

追記

「死んだ」「殺した」と明言しないあたり、なんかリセットオチがあるんじゃないかっていう気がしてならないですね・・・。

*1:http://artifact-jp.com/mt/archives/200302/sekaikei.html とか。あまりこの言葉は好きじゃないけど。

*2:結果ではなくスタンスの問題。まあ極端な例ですが・・・

*3:唯一前者のスタンスなのが最年長の碧ちゃん、ってのも世代の格差みたいのが現れてるのかも

*4:ニート」なんて言葉で自分を社会的に定義づけたりするじゃん?