はなまる幼稚園 総感

ラブリー園児アニメであり、ツンデレ妹萌えアニメであり、天然巨乳美人保育士さんに萌えるアニメ・・・ではあったのですが、色々な部分に違和感があって作品世界に入り込めないアニメでもありました。

そんな幼稚園児はいねーよ、というのはリリカルなのはで通った道だから*1今さら突っ込むのは止めておきますが、それを置いても全体的に歪なアンバランスさを感じてしまう作品だったなあ・・・。

作品の柱としては2つあると思ってて、まずは幼稚園で園児と戯れたり、園児たちが小さな冒険を繰り広げる幼児アニメ。そして、新社会人のつっちーが恋に仕事にがんばるトレンディアニメ。やりたいことは分かるけど、前者のほのぼのっぷりと後者の鬱っぷりのギャップが強すぎて、最後までバラバラだった印象。むしろ、桜さんの自由で天真爛漫な部分が無神経なネグレクトに、山本先生の天然ほわほわさが「ほとんど暴力」に見えてしまって好感を著しく損ねてしまったのは、率直に言ってイヤだったなあ。同じ行動がコンテキストの違いで印象が変わる、ということが主題であればいいんだろうけど・・・そういう訳でもないんだよね?

できすぎた幼稚園児、お兄ちゃん大好きなパーフェクトツンデレ妹、天然巨乳美人な先生とオタクのファンタジーを詰め込んだキャラ配置に対して、子供への愛が足りない母親、ギャグなはずの告白エピソードで過剰に落ち込む主人公といったリアル志向のエピソードとのギャップにも戸惑ってしまいました。

カテゴリーとしては、いわゆる「萌え4コマ*2」のジャンルに当てはまるのかな。こういった平凡で幸せな日常をただ過ごす作品に対して、自分の作家性や芸術性を盛り込みたいのは抗いがたい誘惑なのでしょう。もちろん、そういった作家性がひとつのアニメーション作品として昇華するケースもありますが、この作品は残念ながら幸せなマリアージュとはならなかったようです。

その観点で言えば、本編から離れた部分でアニメーターの個性が遺憾なく発揮されてたOPやEDが一番楽しかった。曲も好き。この辺りの楽しさが、本編に少しでもフィードバックされていたらなあ・・・。

はなまるなベストアルバム  childhood memories

はなまるなベストアルバム childhood memories

*1:アニマル横町」の方が参照先としては適切なのかも

*2:厳密に言えば、4コマではないけど