夢喰いメリー 総感

終わりましたね。

同時期に始まった作品で、最後の最後まで最終回を見るのを取っておいた作品でした。

さて。この作品の魅力を語ろうと思えばいくらでも思いつくのですが、いざ言葉にしてみるとなかなか難しい。

まず印象的なのが、独特の世界観。「夢」をモチーフにした作品は確かに数あれど、ダークさとゆるい日常がシームレスに同居しているような世界観は面白かったですね。日常パートだけ見れば萌えアニメと言っても過言じゃない雰囲気がありつつも、どこか淡々としていたり。それがまたメリーさんの空虚さや掴みどころの無さに感じられて、何とも不思議な感覚でした。

山内重保らしい・・・と言っていいんでしょうかね?不勉強にしてあまり詳しくないのですが、スタイリッシュなレイアウトやカメラワークが独特で、単に奇をてらうというより日常の中に違和感を挟みこむような、日常を映してるはずなのにどこか違う世界のような、そんな印象がありました。メリーさんのおへそもそうですが、全編に渡ってスタッフの美意識やこだわりが感じられる作画はすごく雰囲気があって大好きでした。

出てくる女の子ちゃんたちはどの子もかわいかったですね!メリーさんはもちろんのこと、勇魚や光凪由衣さんも超かわいかった。この辺はキャラクターもそうですが、声的にも面白いキャスティングでした。ここで佐倉綾音茅野愛衣を抜擢したスタッフは先見の明がありすぎる。今年ブレイクする声優さんって誰になるんだろうなあ・・・なんて年初は思っていたのですが、いきなり大ブレイクが来てしまった感じ。特に茅野愛衣は今シーズンから大活躍ですし、早くも大きな波を感じさせます。

キャラクターで気になるのはやっぱりメリーさん。おへそがラブリーとか、ドーナツ大好きとか、萌えキャラとしても申し分ない属性を備えているメリー。子供のような無邪気さを見せたと思ったら、手を伸ばすと隙間からスルリと逃げてしまいそうで、それでいて大きな孤独を抱えていたりして。何とも掴みどころのない子でしたね。それがまた愛しいというか。どことなく(?)非日常を感じさせるメリーさんのキャラクターに、佐倉綾音のちょっと硬い感じの声が奇跡的なほど合ってたのも素晴らしかった。他のアニメでもチョイ役で声を聞くことがあるのですが、正直言って、結構浮いてるんだよね、綾音ちゃんの声は・・・。

っと、佐倉綾音の話を始めると長くなりそうなので、作品の話に戻って。

お話としては、全体的に見れば「人の夢を守る」というベタな構成ではあったのですが、その中で夢路とメリーとの絆、11話での決意の揺らぎ、そして思いを吹っ切った最終回と、すごく丁寧な進め方でした。夢路の「メリーを信じる」という思いが口先だけじゃなく、「勇魚の夢がかかっていても同じ台詞が言えるのか?」という決断を迫ったエピソードがすごくよかった。

そんな感じで。オリジナル成分が強いとはいえ未完の原作で、1クールアニメという縛りの中では満点に近いくらいの作品だったんじゃないかな。一見すると地味という印象を受けがちなのが残念ではあるのですが・・・。ちゃんと見てみると、台詞だけじゃなくてキャラクターの表情や声優さんの演技にも記号以上の意味が込められている、そんな深みを感じられる作品でした。

追記

TVアニメ「夢喰いメリー」エンディングテーマ  ユメとキボーとアシタのアタシ

TVアニメ「夢喰いメリー」エンディングテーマ ユメとキボーとアシタのアタシ

EDもよかったね。かわいい。