今日の5の2 総感

ある種の試金石のような作品。

本作品で扱われる少女は、かなり生々しいロリータ像。もちろん、アニメ化に当たって当然デフォルメされてはいるのだけど、外面的なシンボル化*1ではなく内面的なシンボル化がされているという点で非常に独特。一言で言えば、11歳前後という「第二次性徴期の少女」をシンボル化したキャラクター作り。

それを端的に現しているのが、未分化なニュートラルさを持つユウキ、性に対してモラトリアムなナツミ、そして生のセックスを感じさせるチカの3人。いずれも、第二次性徴期の少女が持つ特定の一面を分かりやすくデフォルメしたキャラクターだと思います。そして、様々なイベントに対するそれぞれの反応を眺めて楽しむって言うんだから、かなり危険な楽しみ方ですよね。

絵柄はバリバリ萌え志向ってわけじゃないし、「パンチラ」みたいな分かりやすいフックもない。さらにすごいのが、キャラクターの着ている服が普通の子供服っぽいところ。見る人が見れば垂涎モノなんですが、アニメ的にはあまり映える服装ではない。つまり、理解できない人が見ると普通の子供向けアニメだと思っちゃうんですよね。だから、これで楽しいって相当真性だよな・・・という意味で、かなり危険な作品だと思います。

多分、この辺の属性のない人は普通の日常系あるあるアニメだと思ってるんじゃないかなあ。時々出てくる微エロに目が行く程度で。でも、このアニメの本当の見所は「あるある」でも「微エロ」でもない。「あるある」の裏に隠された、第二次性徴期の少女の心情にシンクロする。そういう楽しみができるようになってるということは、作者は相当変態だよなあ・・・と失礼なことを考えてしまいます。

もちろん、そんなことを考えてる俺も相当変態なのは間違いないようで。感想を読み返してみると、段々変態っぽくなってるのがよく分かります(笑)

アニメーション的な話をしてみる。放映前はキャラデザがおかしいおかしいと言われていましたが、実際アニメで動くのを見ているとそれほど違和感なかったですね。敢えて遊び部分を入れることでニュアンスを出してたようにも思えます*2。演出方面では、一番印象的だったのが上下方向の構図のとり方。例えば1話の階段や11話のジャングルジムみたいな。特に6話の夏祭りの話がすっごくよかった。空間の広がりを感じさせる絵って好き。

*1:端的に言えば「もえたん」みたいな。本来は比較対照としては「こどものじかん」辺りがよいのかもしれないけど、見たことないので何とも

*2:抽象的だなあ