とらドラ! 第09話「海にいこうと君は」

いやー、話が複雑になってきましたね!感想書きにくいじゃないか!!(←なぜか嬉しそう)

今回は、今まで不思議ちゃんな印象だったみのりんの内面が見えるエピソードでした。

「世の中の、当たり前に恋愛してる人たちが、あたしにはとても遠い」
「だって、あたしには見えないんだもん」
「やっぱり幽霊はいないんだ、一生見れないんだってあきらめかけてる」

未知なる存在への本能的な恐怖。実乃梨にとっては、幽霊や宇宙人と同じくらい「恋」とは未知のものであった。・・・なんて話を聞くと、それを物語構造にまで昇華した「涼宮ハルヒの憂鬱」を思い出してしまいますが(参考:結局、なんでキスしたら元の世界に戻ったのよ。(涼宮ハルヒの憂鬱:総感その2) - エネルギー吸収と発散*1)、未知のものを積極的に追い求めるハルヒと違い、実乃梨の本質としてはむしろ「逃げ」という印象があります。

さすがに高二にもなって恋の名前も知らないほどカマトトだとは思えない。恋のことも含めて、実乃梨は何か大切なことと向き合うのを逃げているような気がするのです。「逃げている」と言うと言葉が強すぎるけど、敬遠しているのは事実だと思う。偽者のオバケが出たときに、竜児の苦しい言い訳をアッサリ信じているのもそうだし、休みを部活とバイトで埋めているのもそう。家が貧しいわけでもなさそうだし、安易な逃げ道へ逃れようとする思いの表れ・・・と考えるのは勘ぐりすぎかな。そういう女を落とすのは簡単だぜ(笑)
ただ、そんな自分を変えたいと思ってるようにも見えますね。その辺りの危うい境界線が、実乃梨の魅力なのかもしれません。

「俺は、いつか櫛枝が、幽霊を見れたらいいなって思うよ」

そりゃお前はそうだろうが・・・。

  • 今回は、いろんな堀江由衣の演技が聞けて幸せだなあ。ワカメをくっつけられた時の「そ、そうだよね」「そうだよね〜」の台詞がたまらない。同じ単語でここまでニュアンス出せるのかー。
  • 亜美、竜児の気持ちを知ってるのか。さすが、人の顔色を気にしながら仮面をかぶり続けてきた女、そういうのは敏感なんだな。
  • た、大河さん・・・もしかして生えてない、とか・・・?

ふーむ

こういう話があると、他所様の感想を読むのも面白いですね。いろんな解釈があるんだなーと思いました。
幽霊のメタファーに各キャラクターの恋愛観が表れていたり、実乃梨と大河がそれぞれ竜児と絡むシーンにコントラストな構造があったり。実乃梨が「目を見せない」というシーンは、作画的にもさることながら、演出的にも大きな意味があるんだよね。その辺に「逃げ」のニュアンスを感じたのだけど、単に竜児との距離感を象徴していただけなのかな?
ただ、キャラクターの読めない実乃梨が、あそこまで自分の弱さをさらけ出してるんだから、二人の距離が遠いとは思わないんだけどなあ。距離を認識するのが最初の一歩だよ!

*1:久々に読み返すと超恥ずかしい(笑)