喰霊-零- 第08話「復讐行方」

今回も切ないお話ですね。父親の死をきっかけに、家も、当主の座も、獅子王も失ってしまった黄泉。

「あなただけよ、神楽」
「あなたが、わたしの最後の宝物」

何もかも失っても、たった一つ大切なものが残っているのなら、それだけで生きていける。・・・はずだったのに。
可愛さ余って・・・じゃないけど、強い思いや執着心は、ほんの少しのきっかけで容易に反転してしまう。神童と呼ばれ、人一倍努力して強くなった黄泉だけれど、その試練を乗り越える強さを得ることだけはできなかったのだろうか。

「あなたが邪魔だったの!」
「あなたが憎かったの!」
「あなたが嫌いだったの!」
「あなたが羨ましかったの!」

冥姉さんは単なる悪者じゃない。神楽や黄泉を可愛く思っていた時もあっただろう。冥の姿は、近い未来の黄泉自身。義理とはいえ、姉を手にかけた瞬間、黄泉は戻れない道に足を踏み入れてしまったのかもしれません。

ところで

冥姉さんの最後の瞬間、正気に戻ったような風になってたけど、あれはどっちの冥だったのか。少し考えれば分かるけど、本物の冥姉さんなら命乞いなどしないでしょう。黄泉がそれを知っていたかどうか・・・というのは、彼女を最後の一線で踏み留める小さな希望ではあるのだけど。
ただ、冥にとどめを刺したときの黄泉の思いは、冥の開放を望んでいたわけでは決してなかった。そう考えると、冥の意思に関わらず、黄泉のしたことは許されるものではないのです。