藍より青し 〜縁〜 第十二話 「絆〜きずな〜」

ついに最終回。あれだけ盛り上がった先週と比べて、今週は淡々としたものです。なんか家族家族強調しすぎて食傷気味だなあとか思ったり。金巻兼一の脚本はオナニー臭いというか、脚本家の自己陶酔が見えてきて鼻につく時がある。いい話書くときもあるんだけどね・・・。

で、今回は雰囲気で流してるような感じで、話はあまりよくない気がする。それなら前回の話を5分くらい縮めてエピローグを足して、前回を最終回にしたほうがよかった。では中身に対するツッコミを。

ティナのけん玉はなんの意味があったのか良く分からん。「けん玉が成功する」=「帰る」の意味が分かりません。まあ、大切なことをギャンブル的に決めるっていうのは分からなくはないけど。それともけん玉ってのはただの演出効果なのか?結論はすでに出てて、実行するきっかけだったのか?「よく考えて、決めたんだ」といっておりますが、その「よく考えた」過程がいまいち分からないのですよ。大体考えて分かるようなことだったら帰る前に分かるじゃん。考える時間なら帰る前にも山ほどあったじゃん。第一帰る前にあれだけもりあがってもう帰らない決心をしたんじゃん。あれはなんだったの?全部なかったことですか?じゃあ前回感動した俺の気持ちはどうなるの?

薫さま、さんざん「ティナは戻ってくるよ」とか言っておいて突然「ティナはもうここへは帰ってこないかもしれない」ってなんだよ・・・部屋に写真を置いたからって戻ってこないというのはちょっとわからねえな。「思い出、置いていったんだ」=「帰ってこない」の理論は俺には良く分かりませんでした。まあ、日本での思い出を全て捨てて帰っていったと考えれば理解できなくはないけど、逆に「思い出を残す」=「忘れ物を取りに来る」で、帰ってくる伏線になるかもしれないじゃん。月姫で言うところの琥珀さんのリボン。しかもそれで帰ってこないならともかく、実際帰ってきてるから薫さまは道化でしかないよなあ。

と、結局のところアメリカと日本の間で葛藤するティナがいまいち書かれてなかったなあ、というのが残念。アメリカに帰ったときの描写も、なんか馬に乗ってるだけだし。そんなんだけ見せられてもねえ。どう共感しろと。馬に乗ってお茶でも飲んでろ。

ティナというキャラ自体完成されたキャラだから、全部自分で考えて解決できてしまうんだよね。そういうティナをドラマの中心にした、っていうのがちょっとなあ。水泳の話なんかは、昔の自分を出すことによって、過去と比較した現在の成長みたいなものが見えたのでそれは良かったと思うんですが。今回はねえ・・・。全部自分で解決してしまったっていうのはやっぱり・・・。ドラマだしさ。外部からの力ですよ。

----(以下妄想)----
アメリカに戻ったティナ。もう日本には帰らないと決心したティナの心を知って落ち込む薫たちであったが、ティナが決めたことだから、と無理やり自分を納得させるのであった。しかし悲しみのせいかあからさまにティナの話題を避けているなかで長屋の雰囲気が徐々に悪くなっていくのを見かねて繭がアメリカへティナを説得に行く。一方ティナの方は、家族と仲良く暮らしてはいるものの何か物足りなさを感じ、写真を見るたびにため息の数が増えていく一方であった。

「あたしはアメリカ人ばい!もう日本へは・・・」
「そうですの・・・じゃあ、これはなんですの?日本に戻らないのなら、必要ないじゃありませんか!!」
「そ、それは・・・」
----(妄想おわり)----

みたいな。俺の頭ではこれが限界ですが、基本的には繭の説得(というか背中を押す役だけど)で日本に帰る決心をするという流れで。できるだけしがらみの少ない立場でアメリカに行ける人と言ったら繭かなと思って。雅さんでもいいとはおもうんだけど、ちょっとね。雅さんならアメリカに帰るティナの気持ちを尊重しようとするだろうし。

それか、前回あれだけ盛り上がったんだからティナはもう帰ってこないでもいいよ。残された住人がティナのいない家で落ち込みつつも立ち直る物語を作るとかさ。せっかく葵ちゃんが「いつか皆旅立っていく」みたいなことを言ってるんだから。

とまあそんな感じで、なんかもやもやした気分の残る最終回でした。前回で終わっておけばなあ・・・