アイドルマスター 総感

終わりましたね。

売れない駆け出しアイドル達が全員で頑張って成長していく過程を描いた前半、売れっ子アイドルとなってから仕事の楽しさや厳しさ、仲間との絆を描いた後半。それぞれのキャラクターのお当番回をこなしつつ、前半と後半が綺麗に対になる構成はお見事。

仕事に慣れないプロデューサーを励ましつつ、売れない時代のチームの士気を高めつつ、誰よりも765プロという場所を愛していた春香。シリーズのトリとなる春香のラストエピソードは、まさしく作品全体を象徴するような、切なくも温かい話でした。

今までのアイドルアニメは小さな女の子の憧れみたいな部分が大きくて、女児向け作品として作られることが多かった。そんな中で本作は、大人が見るための深夜アニメとして、かと言ってお色気シーンがあるというわけでもなく、「大人のためのアイドル」・・・つまり、サイリウムを振ってコールをする、「僕ら」にとってのリアルなアイドルを見せてくれたように思えます。本作品に感じた妙な気恥ずかしさ、あるいは舞台裏を見ることへの若干の罪悪感みたいなものは、その辺りのリアリティに起因しているのかもしれないですね。まあ、私はアイドルのコンサートに行ったことは無いのですが・・・・・・。

作画の質も素晴らしく、特にOPの作り込みはすごかった。歌もよくて、これだけでひとつのライブを見ているような。それだけに、前後半のOPを合体させた最終回の特別バーションは最高に盛り上がりましたね!大画面で見て俺も一緒にサイリウム振りたいわ。

24話でボロボロ泣いて、25話のライブで盛り上がって、最終2話が素晴らしかったので不満は全くないのですが。敢えて言うとすれば、春香と千早以外のキャラクターが弱すぎたかな。原作ファンは色々と補完されてるからOKかもしれないですが、アニメオンリーとしてはもう少し深いエピソードを見たかった。特にXENOGLOSSIAに出ていない響や貴音さんは、お当番回もパッとしないし最後まで印象が薄い感じになってしまったのは残念。

でもやっぱり、俺はアイドルアニメが好き。長い人生の中では一瞬の輝きかもしれないけど、スクリーンの中で歌って踊る彼女たちは本当に綺麗で、その輝きを俺は忘れちゃいけないんだと思いました。