Fate/Zero 総感

連続して感想を書いてるから、という訳ではないのですが、「境界線上のホライゾン」と似て非なる世界観作り込みの能力バトル作品でしたね。

Fate/stay night」以前の聖杯戦争を描いたエピソードゼロ的なシリーズ。記憶がかなり薄れているものの、「stay night」の原作はプレイ済みで基本的な聖杯戦争の仕組みや設定、キャラクターは一通り把握していたのが大きなアドバンテージになってた気がします。ベースは知ってるので、「Zero」の新キャラと新設定だけ把握すればよかったから。

さて。今回のシリーズで出てくる魔導師は、一部を除いてプロフェッショナルばかり。そして(おそらく)主人公である切嗣や言峰はオッサンだということもあり、「stay night」のような萌え成分は抑えめなハードボイルドで熱い物語でした。7人の魔術師と7体の英霊が集まり、淡々と戦闘準備を整えていく展開は静かな盛り上がりを見せててワクワクしましたよ。毎回30分があっという間に過ぎていって、早く続きを見たい!と思ってました。や、一気見したのですぐに見れるんですが(笑)。これで毎回チマチマ見てたらすごくモヤモヤしてたんだろうなー。

それぞれの能力を駆使したバトルの盛り上がりや、サーヴァントの真名と宝具は何だ?という謎解きの面白さというFateらしさも健在で、今後の盛り上がりに期待が高まろうというものです。

キャラクターは個性的な人が沢山出てきてますが、やはり間桐雁夜さんが心配。好きな女を遠坂に奪われ、その娘は自分の家に人質にとられ、蟲に食わされ・・・・。って、そりゃもう気だって狂うよね。元々才能があったみたいですが、それでも他の魔術師と比べたら全然大したことなくて。その意味では普通の一般人とも言える雁夜おじさん。そんな一般人が、狂気とも言える強い思いと、自らの命を全て捧げたとしても、ようやく聖杯戦争のスタートラインに立てるだけの能力しか得られない。そして、仮に戦いに勝ったとしても、何ひとつ得ることも救うこともできない。そんな世界の理不尽さを体現している雁夜おじさんは切なすぎるわ。

原作ではイマイチどうでもいい扱いらしいのですが、アニメになって存在感をものすごく発揮しているようで。その辺もメディアの不思議だよなあ。せっかく分割したんだから、今シリーズでの人気を汲み取ってですね、次期シリーズでは出番をひとつ・・・。お願いしますよ。

あとはウエイバーくんと征服王のやり取りが楽しい。荒んだ話に笑いを与えてくれる貴重な存在。自分の真名から宝具まで惜しげもなく見せちゃって、イスカンダルさんは大丈夫なのでしょうか。真っ先に死にそうな気がしてなりませんよ・・・。

すごく楽しかったのですが、分割2クール制だからなのか、「戦い始まる→横槍が入ってウヤムヤ」の流れが何回も繰り返されたのは若干食傷気味ではありました。今シリーズだけで決着がついちゃダメなんだろうけど、もう少し見せ方があったんじゃないかなあ・・・とも思うのです。欲を言えば、今シリーズで誰か脱落するくらいの緩急が欲しかったな。

ま、何にしても2クール目に期待大!ですよ。楽しみに待ってます。なるべく原作のネタバレは避けつつ。