境界線上のホライゾン 総感

最初は全然話が分からなくて、こりゃダメかも・・・と諦めかけていたのですが、5話を乗り越えた辺りから話が一本道になっていって付いて行くことができました!分からないまま最後まで見続けるのかと思って心配してたよ。ほんと。

さて。振り返ってみると、初回の爽快感に本作品の魅力が詰まっていたように思えます。魔法と科学が融合したような能力バトルのかっこ良さ。中二病とバカにされようと、俺はこういうのが大好きです!慌ただしい話の中で、大量のキャラクターほぼ全てに見せ場をちゃんと用意してくれた親切さも素晴らしかったですね。特に9話の葵喜美さんの高嶺舞、固有結界だー!とFate厨みたいな喜び方をしてしまいました。

これ、原作はライトノベルなんだよね!?字だけのメディアをアニメ化したとは思えないほど、キャラクターもバトルもアニメに映えてる。エフェクトの派手さだけでなく、それぞれの能力が自身のバックグラウンドと深く関わってるのも面白そう。今シリーズでは片鱗を見せるに留まりましたが、次期シリーズではそれぞれのキャラクターを深く掘り下げていく展開も見られるのかな。

5話までの展開は、話が分からなくてもとりあえず盛り上げてゴリ押せ!みたいな無茶苦茶な勢いがあって、こちらとしても「分かったよ!じゃあこっちで調べるから!」みたいに乗せられてしまった感が。いやだって初見じゃ分からんよ、本多忠勝さんが何で死んだのよ?とかさ・・・。それでも、投げ出さずに付いて行こうと思えるだけの勢いは確かにあって、すごく危うい賭けというかバランス感覚というか。個人的には、ホライゾンを助けに行く行かないの話が全体的なスピード感の中では若干ダラけてしまった印象なので、その分もう少し序盤を丁寧に書いてくれてもよかったかなあ・・・とは思いました。そこまで話数を使うエピソードじゃないしさ。

ただ、この作品で面白いと思ったのは、トーリが「ホライゾン助けたい!」で、みんなも「そうだそうだ!」で戦争になるというだけじゃなく、そこに政治的正しさや大義名分を構築したところ。さすが作りこみまくった世界観、戦争をするにも大義名分が必要なんだよね。そりゃあ死にそうな女の子を助けることは正しい。でも、そういう個人的な正義を国家の正義まで持ち上げるには政治家の力が必要なんだよなあ。だからこそ戦闘能力のない本多正純が存在感をすごく発揮してて、そこがすごく面白かったです。

んー、もちろん細かい欠点は色々あるんだけど、全体的に見ると欠点が全て長所に裏返る強引さがありました。こういう作品に俺は弱い。2期も楽しみです。