放課後のプレアデス

SUBARU x GAINAX Animation Project」第1弾作品、らしい。YouTubeで絶賛配信中。

事前情報としては「ガイナが魔法少女モノを作る」程度しか聞いてなかったので、一体どんなアニメなんだろう・・・と思って見てみました。

で、率直な第一印象としては「犬星キャラデザでななついろみたいな設定だなー」というよく分からないモノだったり(笑)。

お話的には・・・。恒星間宇宙船の事故で地球に不時着したプレアデス星人の「会長」が、星に帰るために「エンジン」というものを集めているらしい。そのためにあおいちゃん達を魔法少女のようなものにしたらしい。一方、不思議な少年・みなともエンジンを集めてて、それはまた会長とは別な目的があるようで。そこに主人公のすばるが巻き込まれていって・・・というお話。

大筋だけ抜き出してみれば王道とも言えるフォーマットなんだけど、20分という短い時間に膨大な設定と人間関係がギッシリ詰まってる。多分初見じゃ内容を消化するだけでいっぱいいっぱいなんじゃないかな?見れば見るほど細かい作画の遊びや込められた意味に気づいていくような、そんな作品。だと思う。

やっぱり目を引くのは作画のすごさ。かわいいキャラデザとパステルカラーの柔らかい塗り、部室*1のおもちゃ箱感、そしてガイナックスらしい煙とドッグファイト(?)。こんなショートアニメなのに小物のひとつひとつまで凝ってるのがすごいなあ。個人的には犬スリッパがかわいくて好き。杖で空を飛ぶシーンでエンジン音がしたのには笑っちゃった。さすがスバル・・・!これ、設定資料集みたいなの出ないかな。

キャラクター的には、うーん、イマイチ把握しきれないのですが、とりあえず脇フェチにはたまらないキャラデザだったと言ってよいでしょう!どいつもこいつもイイ脇すぎる・・・。

それはそうと、この作品の人間関係には2つの大きな軸があって。ひとつはすばる&あおい、もうひとつはすばる&みなと。

すばる&あおいの関係は、素直に読むとすばるを魔法少女にすると危険に巻き込むことになるから・・・とあおいがすばるを遠ざけるようになったことに起因するすれ違い、なのかな?二人が仲良くなったことにも何か別の物語がありそうで、それを踏まえないとすれ違いの奥にあるモノに触れることはちょっと難しい感じですね。「あおいちゃん、この頃いっつもそう」というすばるの台詞が短いながらもすごく意味を持ってて、そこからいくらでも物語が生まれてきそうな。あるいは、魔法少女であることを隠された立場の視点として見るのも面白いかも。

すばる&みなとの方はフォーマットから推測できない部分が多くて、誰かに解説して欲しいなあ・・・。これもまた素直に読むと、温室(展望室)の中でしか生きることのできない、「軽い」存在であるみなとが星に憧れて・・・という感じでしょうか。

なんだろう、細かい設定やギミックは確かにワクワクさせて、カワイイキャラデザや作画のクオリティも凄まじいものがあったんだけど、そういうんじゃなくて。ただ単純に、「展望室の鍵を開けたら新しい世界が広がっている」ということ自体に対する感動というか。「鍵を開ける=エンジンを掛ける」のメタファーが面白くて、このシーンに本作品の全てが詰まってるんじゃないかとさえ思えてくる。

魔法少女組はみなとのことを「敵」だと言っていたけど、多分すばるの中では並列なものとしてあって、それを象徴するのが何も無い展望室の中ですばるが泣く第3夜だったように思えます。

「星」が象徴する「夢もキボーも」的なもの、女の子のあこがれの象徴としての魔法少女、もう少し踏み込むなら、そこから自らの存在としての輝きのような・・・。すばるにはそういうモノを見つける力がある、と言ったらさすがに妄想しすぎではありますが。

そんな感じ。短い時間に色々な要素が凝縮されてて、色々と想像が膨らむ作品。これは1クールで見たいなあ。もしくは続編とか。

追記

しゅ、主題歌CDは売らないんですか・・・?

*1:コスプレ研究会?