けいおん!! 総感

色々と書きたいことはあった気がするのですが、いざ感想を書こうとすると何も出てこないな。

中身がない中身がない言われてる本作品でしたが、前シリーズは意外と尖った作品だったりします。萌えアニメと思いきや、軽音部のメンバーのすれ違いからひとつの音楽を作り出す過程を描く。そこには青春のきらめきや熱さがありました。

それに対して今回は、ひたすらゆるく居心地のいい軽音部を描いていて、前シリーズの印象からガラッと変わってしまったのが印象的。というのも、前シリーズは唯視点でリアルタイムな学園生活を描いていたのに対して、本シリーズは梓視点から見た「センパイたちの学園生活」だったからなのでしょう。いつか旅立っていく、大好きな先輩たち。そんな梓の孤独から、新しい人間関係を築いていく過程を描く。表面的にはゆるい萌えを描きながらも、梓の物語としてはちゃんと動いていたんですよね。

本作品を語る文脈で「まなびストレート」という単語をしばしば目にしていましたが、こういった視点の置き方にまなびストレートと同じ雰囲気を感じ取るのも理解できる気がします。まあ、けいおん関連の文章は全く読んでいないので、正確に意味するところは分からないのですが・・・。って今見たら初回でも似たようなこと書いてるね。

アニオタとしては、こういう超人気作品は台風みたいなもので、とにかく上空を吹き荒れる嵐をやり過ごすのが大変。毒気に当てられる、というのに近い気がしますが、作品の中に辿り着く前に気力が削がれてしまうというか。いいからお前ら黙って見てろよ、というか。

自分にできる防衛策は口を閉ざすことのみだったので、敢えて感想に書かずに飲み込んだ思いも多かったかな。ただ、結果的にはくだらない文章が感想に乗らず、純粋に楽しんだ部分だけが感想に出たのでよかったと思います。13話の感想とか、いらんこと書かなきゃよかったって思うもん。お前にあずにゃんの何が分かる!って言いたいよね。

前シリーズ開始時はほぼ無名だった声優陣が、今となっては「豪華声優陣」と呼ばれるようになっているのは感慨深いです。1年と3ヶ月という短い間に、世界はめまぐるしく変わっていったことを実感させられる作品でもありました。