けいおん! 総感

普段の感想でわりと言いたいことを言い切った感があるので、改めて総感として言いたいことはあんまりないかな。なので、初回から順番にダラダラと思い出を語ることにしましょう。

やはり記憶に残ってるのは初回のインパクト。ガールズバンドをモチーフにした作品というのは今までもいくつかあったけど、バリバリのロックンロールアニメじゃなくて「萌え4コマ」のフレームワークで作られてるのが現代的だなーと思ったのを覚えてます。OPも超かわいくて、何度も聞き返しちゃいました。

よくも悪くも「ただの萌えアニメじゃないな」という雰囲気は初回から感じてて、2話あたりで原作の萌え4コマとアニメ版の青春ドラマのチグハグさというか、食い合わせの悪さを決定的に実感してしまいました。このまま「やりたいことは分かるんだけど・・・」という残念な作品になるのかな、と心配していたところで4話。ゆるい萌えアニメと青春バンドアニメのチグハグさは、そのまま唯&律と澪の対立構造になってるように見えるけど、でも根っこのところでは決して相反するものではなかった。

人の思いを音楽で繋ぐ。手垢のついたテーマではありながら、4話までのお話は全てラストの*1花火のシーンに繋がっていたことに気づかなかったんだよなあ・・・。思えばこの話が自分の中でのターニングポイントだった気がします。そこから、9話10話の梓に引き継がれていったんだよね。

元々萌え4コマだった原作に青春モノのストーリーを持ち込んだことは賛否両論あるでしょうが、これはどこまで作品世界やキャラクターの内面に踏み込んで視聴してるかによって変わってくるんだと思います。もちろん「アニメなんぞに毎週時間かけてられるか!ボーっとみて女の子がキャッキャウフフしてりゃいいんだよ!」という視聴態度もアリでしょうから、考察しないと分からないという時点で人を選ぶ作品であったのかもしれません。しかし、自分の中で最高のエピソードだった9話の魅力を最大限に引き出してくれたと考えれば、個人的にはアニメスタッフのやり方は肯定したいです。

ただ、この作品の本当のテーマはそんなところにはなくて。ゆるい萌え4コマだろうと熱い学園ドラマだろうと、どっちでもよくて。12話の唯の台詞こそが作品のテーマだったように思えてなりません。

「あのころの私、心配しなくていいよ」

膠着した世界から叩き出すわけでも、新しい世界へ背中を押すわけでもない。ただ「大丈夫」と優しく包み込む。カードキャプターさくらの「なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ」が当時は苦手だった*2のですが、あれから10年経った今では不思議と同じ台詞が素直にストンと落ちてくるのでした。

その2

声優について。

おそらく今シーズンで最もブレイクしたであろう豊崎愛生。原作に輪をかけてアホっぽくなっていた唯のキャラクターは、もちろんストーリー構成上の意味もあるとは思いますが、豊崎愛生の演技に引っ張られた部分も多分にあるはず。分かりやすいところで言えば、CMでの最後の「ほぅ」だったり、9話で梓にケーキを食べさせようとするところだったり。ああいう細かい演技とか、遊び満載だった6話とか。芸人*3豊崎愛生の魅力が存分に発揮されていたという点でも、これはいい作品でした。

自分の中では「新しい魅力を発見した」というよりも「自分は知ってるけど、一般的にあまり知られていなかった魅力が周知された」という印象が強くて、その意味では新鮮な驚きは少なかったかも。それでも、アニメでこんなに生き生きと演技するところを見るのは初めてで、やっぱり嬉しかったなあ。

役のインパクトが強すぎて役者さんにはあまり触れられないことが多い、さわ子先生。作品のバランスをぶっ壊してしまうほどアグレッシブで、それでいて軽音部全体のことをちゃんと見てる。難しいキャラクターだと思いますが、真田アサミの演技で全体がコントロールされてる(または、振り回される)ような場面も多かったように思えます。あまり日記で触れることはないけど、ここ数年の真田アサミはすごくうまくなってる。メインヒロインを張ることは少ないので分かりにくいけど、「まりあ†ほりっく」の演技なんかは本当によかったですよ。

あとは新人の寿美菜子竹達彩奈米澤円なんかも初々しい演技が作品の世界にマッチしてて今後が楽しみですね。

日笠陽子は・・・ゴメン、あんまり言いたくないけど、もう少し何とか・・・。澪にはいい台詞が回ってくることが多いだけに、もう少し何とかならんかったか・・・って思うことが何度か・・・。でもまあ、今後に期待したいです。

*1:ラストシーンではないんだけど・・・

*2:なんだよその無根拠な自信は!みたいな。若かった・・・(笑)

*3:え?