学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 総感

絵柄は10年前のマイナー漫画誌っぽいし、萌えアニメ全盛の今どきゾンビって・・・と思ってたし、視聴前チェックでは全然期待していなかった本作品。当然ながら初回は完全に冷やかしのつもりで見ていたのですが・・・。まさかこれほど面白いとは。

垢抜けないと思っていた絵柄は、作品のエログロでムチムチな雰囲気にバッチリ合ってたし、人間が次々とゾンビになって襲ってくる設定は本能のレベルに訴えかける恐怖感がある。そして何より、荒唐無稽すぎる設定をキャッチーなキャラクターとダイナミックなアクションの勢いで押し切ってしまうのが楽しすぎる!

普通に考えたら、なんで人間がゾンビになっちゃうの?とか、主人公の小室くんたちは人殺しの特殊訓練でも受けているの?とか、ムチャクチャ過ぎる設定なんだよね。それを「人間がゾンビになっちゃって、学校とか襲っちゃって、それを高校生の子たちがバンバン殺してくの!剣の達人とかガンマニアとか出てきたら面白いよね!」的なノリだけで作品を作ってしまってるのがすごい。さらに「生徒の他に巨乳の校医とか、ロリっ子とかも出しちゃおう!その方が楽しいし!」と言わんばかりに、自分の好きなもの全部詰め込みました!という欲望を隠そうともしない。

そして、そういった無茶な設定を押し切るテンションの高さ。アクションシーンでは思う存分ゾンビを殺しまくり、それが終われば惜しげもなく少女たちの肢体を舐め回す。この振りきりっぷりが最高に楽しい作品でした。

無茶な設定というだけでなく、戦いの中で段々と正常な感覚を失っていく4話、それを受けて毒島先輩の心の闇に触れていく9話といったキャラクターの掘り下げも良い感じ。バラバラに集まった7人が、戦いの中で次第に絆を深めていく・・・というのもある意味ベタではあるのかもしれませんが、やっぱり熱いですよ。

戦いを軸としたエピソードはどれも楽しかったのですが、高城邸に着いた10話あたりから若干中だるみしちゃったのは残念。戦いの熱が冷めるにつれて、今まで見えなかった構成の粗が見えてくるのは皮肉なものです。12話しかやらないんだったら、戦いのテンションのまま駆け抜けることもできたと思うんだけど・・・。

あ、あと本編に関係ないけどEDの話。毎回ED曲が変わるというのをしきりに宣伝してましたが、特に毎回決まったテーマがあったわけでもなく、歌が本編に合わせてるわけでもなく、ただ違う曲を流してるだけというのは何だったんだろう。単にED曲の印象が薄まっただけという気がするし。結局ちゃんと覚えてるのは、CMで歌ってる部分だけという。

そんな感じでしょうか。細かい部分で色々と不満がないわけじゃないけど、全体的に見ると好きな作品でした。できればもう少し、大きなお話の部分で何かしらの結末が見たかったです。人気次第で分割2クールになったりするのかな?