とある科学の超電磁砲 第10話「サイレント・マジョリティ」

なるほど、レベルアッパーの曲を聞かせることで、一種のシンクロ状態・・・作中の言葉でいうと共通のプロトコルをインストールすることができるのか。「レベルアッパー」という共通のプロトコルを使って、「AIM拡散力場」というネットワークを介して通信することで、巨大なクラウドから力を引き出す事ができる。

・・・てゆーか、それってミサカネットワークじゃないか!ってミサカはミサカは壮大な伏線に気づいてみる。なるほど、この時点ですでに物語は始まっていたのね。

それにしても、レベルアッパーの被害者は何千人もいるらしいから、実際のユーザーはもっといるのでしょう。それほど大勢の力を合わせた能力でも、レベル4の黒子には全く歯が立たないのか・・・。だったらレベル5の美琴はどんだけ強いんだ・・・。


さて。設定に思いを馳せるのはこの辺にして。前回は溜まったものをここぞとばかりに吐き出してしまった上に、Web上でも随分話題になってたみたいで、今回のお話を見るのにちょっと構えてしまった部分はあったのだけど、思ったよりライトな感じで進んでくれてよかった。メチャメチャどシリアスだったら胃が痛くて見れないところだった。


色々と見どころはあるのだけど、一番よかったのは初春の友情だなあ。

「佐天さんは欠陥品なんかじゃありません!」

「力があってもなくても、佐天さんは佐天さんです!わたしの親友なんだから」

佐天が本当に欲しかったのは、能力なんかじゃない。「親友」という、当たり前のたった一言。もっと早く、その一言に気づいていれば、こんな悲劇は避けられたのかもしれないが・・・。でも、今ここで初春が気づいたことが大切なんだよ。憧れのツリーダイアグラムも見ず、ジャッジメントの使命も放り出して、佐天の家に飛んで行った初春の思いに胸が熱くなります。誰だって、自分の弱さに負けることがある。でも、そんな自分を心から大切にしてくれる人がいるのは幸せなことだよね。



そして、美琴さん。

「わたしはさ、目の前にハードルが置かれたら、それを飛び越えないと気が済まないタチだから」
「レベル5もその結果なだけで、別に・・・すごいとも思わなかった」

前回「見当違いのフォロー」と書いた理由を美琴自身が語ってくれました。

美琴にとってレベルとは、ハードルを超えた結果として外部から与えられた単なる数字にすぎない。美琴にとって大切なのはハードルを超えることであり、数値としての「レベル」に興味はない。その意味で「レベルなんて、どうでもいいことじゃない」という台詞は正しいのだけど・・・。佐天が言いたいのは、そういうことじゃなかったよね?

「でも、ハードルの前で立ち止まっちゃう人もいるんだよね」

・・・俺に美琴を嫌いにさせないでくれ。佐天がハードルの前で立ち止まってる?なに言ってんだこの女。佐天は力のない自分から逃げたりしないし、立ち止まってもいないよ。自分に力がないことを自覚しながらも、それでも何とかしようとしてたんだよ。お前だって、1話の佐天を見たろうが。あれを見ても「立ち止まってる」なんて言えるのか?

・・・などと結構イラッとしたのですが、美琴は美琴なりに佐天さんのことを大切に思ってて、力になりたいって思ってるのはわかるよ。それでも結局、美琴と佐天が本当に分かり合えることはないんだろうなあ・・・と思うと何だか寂しいものがあります。