恋姫†無双 総感

楽しかった!

やはり一番目に付くのは、三国志のキャラクターが萌えキャラになった!という、現代エロゲーのエキセントリックさを突き詰めたかのような世界観のインパクトですね。三国志キャラの名前というのは一騎当千が先んじていたものの、本作は世界観そのものも三国志に近く*1、さらに萌え解釈を加えたような感じ。詳しい方は、シーンの一つ一つにニヤリとすることもあったのかな・・・。

そして、「真名」という独自の名前。実は三国志ネタよりこっちの方が印象的だったり。いわゆる*2なまえをよんで」の儀式を、本人が心を許した者だけが呼べる「真名」によって明示的に物語に組み込んでいるというのが、何ともエロゲーらしいシステマティックさで面白かったです。ゲームにおいてはおそらく到達度を表す指標なのでしょうが、アニメにおいては友情の強さを表すと同時に、主従関係の信頼度を表すという効果もあったようです。頭の悪そうな袁紹や、暴君のような曹操でも、部下と真名で呼び合ってるシーンを見せるだけで「ああ、ちゃんと慕われているんだな」というのが分かるようになってるのは・・・便利というか、うまいよなあ。

で。本編は、大島美和さんのかわいいキャラデザと、世界観を無視したバカネタの弾けっぷりが楽しかった!3話の辺りからバカアニメとしての魅力がどんどん磨かれてきてて、「ここまでやっていいのか!?」と思ってしまうほど。そして、そんなバカネタを下品になりすぎることなく受け入れてしまえる明るさは、この作品の大きな魅力の一つでした。

バカネタを支えていたのがキャラクターの魅力。もちろんキャラデザの魅力も大きいのですが、それに加えて、大量のキャラクターを1クールという短い時間の中で魅力を最大限引き出すための構成がすばらしい。一番分かりやすいのが、1話に出てくるキャラクターの数を可能な限り絞っていたこと。また3話の話になっちゃうけど、馬超袁紹を出すために関羽趙雲には一旦話から外れてもらうという割り切り方。常にキャラクターを全員出すのではなく、切るところと残すところが実に明確。だからこそ、残されたキャラクターは、その魅力を十分発揮することができる。1話しか出てないゲストキャラみたいなものなのに、どのキャラクターにも愛着が湧いてしまいます。

ただバカネタをやらせるというだけでなく、その基盤をしっかり描いていたのも印象的。特に途中から出てきた孔明は、なんかほとんど主役みたいな扱いになってしましたよね・・・。この作品において、自分では戦わない孔明がしっかりと存在感を発揮しているということ自体がシナリオの質の高さを証明しているように思えます。直接的に戦闘をすることはないけれど、軍師として皆を導いたり、10話のように仲間のために命を惜しまない勇気を見せたり。バカネタのインパクトに隠れてしまいがちですが、こういう小さな積み重ねがキャラクターの基盤を作っていくのでしょう。だからこそバカネタをやってもキャラクターが壊れてしまうことはないし、最終話のようなドラマの盛り上がりも見せてくれる。

あとは・・・OPとEDもよかったですね! アニメの体感時間について - エネルギー吸収と発散 でも触れましたが、独特の時間感覚を持つOPや、チビキャラ満載のED。EDはもう大好きで、最初の頃は何回も巻き戻してました。新しいキャラが増えるたびに、EDのどこで出ているのか確認する作業が楽しくて、ついでに本物の三国志ではどうだったのか?とか、原作ゲームではどうだったのか?とか色々調べてしまいました。

視聴前は完全なB級ネタアニメだと思い込んでいたのですが、いい意味で大化けした作品でした。切らずに見ててよかった。

*1:詳しくないのでアレですが

*2:って俺が言ってるだけなのですが