DearS 第12話 「……しかも熱かった」

さんざん馬鹿にしてきたDearSですが、今回は面白かった。作画もがんばりましたね。もちろん前の話から考えると登場人物の気持ちとかがいまいち理解できないんですが、今回の話だけを独立して考えれば、なかなかよかった。ちゃんと最終回の盛り上がりを見せていましたからね。クラス全員が集まって、商店街が集まって、今までレンが積み重ねてきた関係っていうのがここにあるんだなーというカタルシスを見せてくれました。広げた風呂敷を畳めなかったのは困ったことですけどね・・・続編作る気なのカナ?

タケヤですが、「レンの気持ちはどうなんだ!」とか言いつつ、「俺には関係ない。レンがどこに出てこうと・・・知ったことかよ」とかいってるし。なんでまだ分からないのかね。結局レンの自主性を重んじるように見せて選択から逃げてるようにしか見えない。「レンの気持ちは・・・」とか言いつつ自分は「レンの好きにすればいい」ですか。それじゃレンとかわらないじゃん。人の気持ちはいいからさ、オマエはどうしたいんだよ!受け身な主人公は激しく苦手だ・・・まあ、だからこそ最後の「レンのご主人様はオレだー!!」にカタルシスを感じるわけなんですけどね。あそこの盛り上げ方はまさしく最終回にふさわしい。

で、それを受けてのレンですが「わからない」というのも当然でしょう。タケヤの望み通りにすることがレンの望みなわけで。そんなタケヤが「どこに行こうが関係ない」と行ってるんだから、そうすることがレンの望みになるわけだし。でも一方で「帰りたくない」という気持ちも持っている。その二律背反がこの物語の主題なんだと思うのですよ。オーバーでもそこを前面に押し出した演出をしてもらえればなー、と思いました。

ミゥはまだ人間に近い感情を持っているよな。もしミゥがレンの立場だったら、「帰りたくない」って言ったかもしれない。レンは生まれたばかりで未完成なわけで、それだけに自分の意志よりも「ご主人様のしたいようにしたい」という本能的な部分が強く出ているのかもしれない。そういう意味でも、この二律背反はレンにしか出せないものになったはずなんですよ。だからこそ、そこは強く押し出しておかないと・・・

最後のタケヤがレンを助けに行くシーン。ここで今までの回想があるわけですけど、やっぱりここで、レンとタケヤの絆を決定付けるエピソード、例えばプリキュアの8話みたいなエピソードが一本欲しかった。やはり序盤の数話しかまともな交流シーンがないというのは致命的に説得力を落とすよ。それが残念だった。

エピローグのマターリぶりも最終回にふさわしく、ここだけみれば非常に満足なんだけどなあ・・・。

という感じで、全体的に見れば、演出はかなりいいものだったんだけど、作画崩壊の呪いと脚本がいまいちだったのと原作が糞だったのが残念、と言ったところでしょうか。このメンツで、三文字作画をなくして別なアニメを作ってほしいなあ・・・。ってそりゃハピレスか。ハピレスは結構好きだったなあ・・・。

あ、あと上に書けなかった小ネタを。

  • 声つきのアイキャッチ、いいですな。
  • レンが帰ってきたとき、さりげなくスカートをめくるミゥ。うーん・・・自然な動き。