ベン・トー 総感

面白かった!

「魔乳秘剣帖」の感想で「マクガフィンが何でもいいならオッパイでもいいよね?」という話をしたのですが、本作品はそれが半額弁当だったという。

まずはネタの引きの強さがすごい。多くの猛者・「狼」たちがスーパーに集い、半額弁当を争ってバトルを繰り広げる。そこには汗と血と涙の物語があって・・・。過去との決別とか、仲間との絆とか、熱い物語ではあるのですが。実際のところ、それらは全て半額弁当の争いという。これはズルイ!何しても笑っちゃうじゃないか!

で、一発ネタとしての面白さだけじゃなく、1クールの間熱量を保ち続けたのがすごい。保ち続けたというか、回を重ねるごとにヒートアップしていくような印象すらありました。ラストエピソードの、オルトロスこと沢桔梗&鏡姉妹の恐ろしさと孤独さ。二人を「駆逐」しようと暗躍したヘラクレス棍棒に対して、佐藤が「狼に言葉は要らない」とスーパーに腹の音を響かせたシーンなんかは感動で思わず涙腺が緩んでしまいました。冷静に考えればギャグでしか無いんですけどね・・・。

スーパーの半額弁当を買うだけの話なのに、何やらそれが神聖な戦いのように思えてしまう。視点をちょっと変えるだけで、話はここまで面白くなる。物語というのは不思議なものですね。

その他の話。独特の絵柄が気になった作画。なんというか、今風ではないと言いますか、妙に垢抜けない絵だなー!と最初は驚きましたね。そのせいで取っ付きにくい印象があったのですが、慣れてくるとこの絵も悪くない。むしろ、古風なヤンキー漫画みたいな話の筋と上手くマッチしていたようにも思えてきます。パスで引いた、あるいはCGでレンダリングしたような綺麗な線が主流の昨今、ペンで手書きしたような本作品の線画も昔懐かしいダイナミックさがあってよかった。

声の話も少し。槍水先輩の伊瀬茉莉也。友達いない系ヒロインが多い印象の伊瀬さんですが、先輩もその亜種と言えるかな。孤高で人を寄せ付けないというタイプなので、友達がいないとはちょっと違うかもですが。クールな中に見え隠れするかわいさ、というのが良いですねえ。

そして著莪あやめ。加藤英美里の上手さ・・・というか、テクニシャンな一面がよく見える役で面白かった。メジャーな作品しか見てない向きには「いつも同じ声」だと思われてる節がありますが、実は職人的だなーという印象です。仕事きっちりな感じ。いつか「エミリ自由すぎだろ!(笑)」みたいな作品も聴いてみたいなー。俺が知らないだけで既にあるのかも*1ですが。

堀江由衣田村ゆかりの双子に関しては、俺は驚くほどこの二人の共演に興味がないなー!と思ったのでした。

*1:そういえば「アドリブアニメ研究所」は微妙だという噂ですが実際どうなんでしょ