薄桜鬼 碧血録 総感

視聴前は「どうせ腐女子向けだろう」などと思ってて、完全に冷やかしで見た1話。千鶴が予想以上にかわいくて、しばらく見続けているうちに本編にもすっかりはまってしまいました。

俺は歴史に疎い人間なので、新選組の活躍も教科書レベルの知識すら怪しいくらいな感じでしたが、フィクション部分を抜きにしても純粋に面白かったです。毎回見終わったあとWikipedia新選組のことを調べて、「へええ史実ではこうなってたのね」と勉強するのも楽しみでした。

作品の話。「薄桜記」のオマージュ的な意味もあるんだろうけど、新選組という史実をベースに、その儚さを際立たせる「吸血鬼」や「桜」のモチーフを組み合わせたフィクションを作ろうというコンセプトが面白い。そして新選組の面々から風間千景たち鬼の一族まで、イケメンを取り揃えて千鶴を奪い合う。これだけ耽美な材料を惜しげもなく使って乙女を萌えさせようっていう作りもよかったなあ・・・。特に最終回の、全てのテーマが結実する土方さんと風間の戦闘シーンは本当に素晴らしかった。

キャラクター的には、もちろんヒロインの千鶴たんが最高にかわいかった!最近の桑島法子は気が強くてちょっとヒネたキャラクターのイメージが強いかもしれないけど、「彩雲国物語」のように女性向け作品のヒロインだって珍しい話じゃないんだよね。元々桑島法子は好きだったので、思う存分かわいい桑島法子を堪能できる本作品はありがたかったです。

千鶴を取り巻くイケメンたちも、あんなカッコイイ野郎共が千鶴のために命を張ってるのがまたたまんないね・・・。乙女ゲーをやる人の気持ちが分かるわ。これはときめくよ!。主人公の土方さんのカッコ良さは反則として、原田さんと山崎さんが好きでした。もっと千鶴たんといい感じになってくれれば!

残念ながら手放しでベタボメって訳にもいかなくて、設定に関しては消化不良な部分が沢山あったかな。特に肝心な鬼の一族の話は殆ど関係なくなってて、アニメシリーズだけで言えば千鶴が鬼である必然性が全くない。土方さんに血をあげる理由は確かにあるけど、それは「大切な人間の血であるほど力がアップする」という設定でも問題ないわけだし。南雲さんとか千姫さんとか、肝心の綱道さんとか、何のために出てきたのよって感じだったよね。原作付き作品の難しいところなのは重々承知なのですが・・・。

最終回のエピソードが決まっているのなら、不要な設定をバッサリ切り捨ててキャラクターのエピソードを増やしてくれた方が嬉しかったかも。もしくは、後半駆け足気味になってしまったので、その辺りをもう少しじっくりやるとか・・・。

と、不満がないわけじゃないけど。終わってみればすごくいい作品だったと思うし、「薄桜鬼」と聞いてイメージする絵をまさに体現してくれた最終回は感動でした。苦手な歴史モノで、対象外の女性向けアニメがここまで楽しめたのは新鮮な経験だったかな。

追記

前シリーズのまとめはこちら。
薄桜鬼 総感 - エネルギー吸収と発散