フレッシュプリキュア! 総感

終わった・・・。

長期シリーズだと振り返るのも大変だけど、その分感慨も大きいですね。

やはり今シリーズは、今までの「プリキュア」から何かを変えようという意思がすごく感じられました。キャラデザもそうだし、随所に「美少女戦隊モノ」のセルフパロディーを挟んできたりするお話もそう。そして一番大きいのは、プリキュア最大のタブーであった正体バレをしちゃったこと。キュアピーチとラブという二人の人格と、ラブに恋する思いをピーチに相談する大輔はんとの関係は、ぴえろ魔法少女モノに似たエッセンスがありましたね。48話で、ラビリンスの住人含めてプリキュアに思いを伝えるシーンなんかは、正体バレを許したからこその盛り上がり。今まで孤独に戦ってきたプリキュアシリーズを思い出すと、みんなと心が通じたことにすごく感動してしまいました。

今シリーズで触れておかなければならないのは、やはりイース=せつなの存在でしょう。敵が味方になる展開そのものは、プリキュアシリーズで言えば「Splash Star」でもあって、これも感動の物語でした。ただ「Splash Star」の満と薫に関しては、仲間になるまでの過程をメインに掘り下げていたのに対し、「フレッシュ」のせつなは仲間になってからの苦悩や葛藤をすごく丁寧に掘り下げていました。仲間になるまでよりも、なった後こそが本当に辛い試練なのかも・・・と思わせる24話25話はシリーズ屈指の名エピソード。そんな試練を乗り越えた上で、自分が愛されていることを知った40話、昔の仲間を思った46話へとせつなの内面が変化して行くのは本当に素晴らしかった・・・。

せつなのキャラクターが魅力的だった反面、主人公の3人娘の掘り下げは微妙だったなあ。せっかくのお当番回でも表面的な感情しか見せてくれず、最後まで感情移入できませんでした。基本「いい子」でなくちゃダメなヒロインという立場上、難しい部分はあるのだろうけど。

声的な話をすると、中川亜紀子が久々にメインキャラクターを演じることになったのが嬉しかった。最近では、ごくたまにプリキュアシリーズの脇役で出るのを見るくらいしか声を聞ける機会がなかったので、毎週のようにメインで出てくるブッキーには随分救われた気がします。飯塚雅弓のメインキャラクターも久しぶりだった。この辺のキャスティングが可能なのはプリキュアシリーズならではだよね。

と、そんな感じかな。色々な制約やプレッシャーの中、新しいプリキュアとしての個性を出しつつ1年モノのストーリーとして完結してくれたスタッフの皆様、キャストの皆様にお疲れ様でした。