戦場のヴァルキュリア 総感

シリーズ当初の牧歌的な雰囲気はどこへやら、17話のイサラの死をきっかけに話がどんどんシリアスに。そして最後はアリシアが超人的な力に目覚めて全てをぶち壊す!というスゴイ方向に行ってしまったアニメ。

割と人が死んだり傷ついたりしてリアル方向に推移していく展開の中で、設定のトンデモさはシリーズ当初のまま・・・というか、強すぎるエーデルワイス号が超絶強すぎるアリシアに取って代わったことを考えれば、ますますトンデモさを増していくというアンバランスさが最後まで気になったかな。

ヒロインのアリシア、ヘタレのウェルキン、ライバルのファルディオといったメインキャラクターは魅力的に描かれてて、3人のラブコメが話を引っ張る展開は結構好きでした。「みなみけ」のカナちゃんがそのまま大きくなったようなアリシアのピュアさには毎回癒されましたよ。その脇でイサラに恋するラマールや、ザカとロージーの微妙な関係、はたまたラルゴとバーロット大尉の昔話など、それぞれの恋愛エピソードはどれも楽しかったですね。

ただ、あれほど人の多い第7小隊がほとんど空気化してしまったり、鳴り物入りで登場したエーデルワイス号がほとんど活躍できてなかったり、セルベリアの掘り下げがイマイチだったり、シリーズ構成としては不完全燃焼だったかなあ。イーディーたんの出番をもっと出すとか、第7小隊の面々のお当番回を作るとか、2クールもあれば色々楽しい企画もできたはずなのに。その点は残念でした。