落語天女おゆい 第12話「信じる言葉 ふれあう心」

あらら、生意気にも閉じるべき世界を持っていたようです。意外と楽しかった!

考えてみれば、おゆいは話がメチャメチャなだけで、世界観としてはちゃんとしてた物を持っていたんだよね。そう考えてみれば世界を閉じる最終回が面白いのも必然なわけで。それぞれが江戸に残した思い出、そして戻ってからの日々。こういう後日談は好きだなあ。花見のシーンも、落語ネタをうまく使ったおゆいらしいエピソードだったのではないでしょうか。

ラストの唯の落語。「酒柱」とはずいぶんうまいこと言うな、と思って調べてみました。「長屋の花見」という落語が元ネタのようです。
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/05/post_5c02.html

・・・それにしても、笑いを語る上で落語の知識はかなり役立つのでは、とちょっと思ったり。落語なら通勤途中にも聞けて、アニメ視聴の妨げにもならないしなあ。

総感など少し。

最初の数話とラストはよかった。キャラの動かし方が楽しくて、唯の崩しっぷりとか、雅ちゃんの内面とか、かなり光るものを持っていたと思うのです。それだけに、妖魔との戦いとか余計な要素を入れてしまったせいでキャラの掘り下げが全然できなかったのが非常に残念。素直に江戸風俗をおり交ぜた人情芝居をやってくれればすごく楽しめたのになあ・・・。

セーラームーンフォーマットは企画モノ美少女アニメの基本ではあるけど、この企画には向いてなかったんだと思います。落語の魅力を引き出すのは戦闘ではなかったんだよなあ、やっぱり。

と、そんな感じで不満点もたくさんあるのですが、全体的には憎めないヘタレアニメでした。後藤沙緒里がアニメのヘタレっぷりとマッチしていい味を出してました。