交響詩篇 エウレカセブン 第48話「バレエ・メカニック」

今までの感想をご覧いただいている方は分かると思いますが、俺はエウレカセブンという作品があまり好きではありません。・・・というか、はっきり言ってしまえば大嫌いです。

エピソードごとに全く統一性の感じられないキャラ、製作者にとって都合のいい、上っ面だけの台詞を読み上げるだけの、命のないキャラ。キャラクターの魅力とは、エピソードの積み重ねと巧妙な伏線によって引き出されるべきで、演出や台詞のテクニックのみで引き出すものではないと思うのです。もちろん萌えアニメならそれでもいいと思いますが「キャラクターに感情移入する必要はない」「テクニックこそ全て」というエウレカセブンの価値観は、俺にとっては絶対許容することのできないものです。

じゃー見なきゃいいじゃん、という話ですが、話題になってるアニメは見ておかねばという俗物根性と、何だかんだ言いつつテクニックを求めてしまうアニオタの暗部が見続けさせているような気がします。

・・・と、ここまで吐き出さないと素直に誉められないのは考え物ですが*1、今回は久々によかった!お話がよかったのは本当に久々。アネモネがいつの間にドミニクを好きになったんだ?とか、いきなり自分語り?とか、唐突さは相変わらずなのですが*2、そういうことを考える隙を与えないほどの圧倒的な盛り上がり。ドミニクへの恋心は分からなくても、アネモネの辛さは十分分かってたし、ドミニクの思いも分かってた。今回の話に感動したのはそこがあったからかもしれません。

ジ・エンドに乗って最後の戦いに赴くアネモネ。多分初めて聞いた、彼女の等身大の女の子としての独白。今までの狂気もなく、淡々と夢見るように夢をつぶやくアネモネの姿が悲しすぎます。ニルヴァーシュとの戦いでもアネモネの表情を知ることはできず、誰か彼女を助けてやれよ!ってずっと思ってました。もちろんそれは「助けよう!」なんて寝言を言ってるレントンエウレカなどではありえなく、彼女の求めるドミニクしかいないわけで。

いやもう、なんというか、この一連のアネモネはほんとすごかった。ずっと不遇な扱いを受けつづけてきた、アネモネの最後の姿がこんなに淡々としたものなのかっていうのが余計心に響いてきました。

ドミニクは死んで終わるのかなと思ってたけど、これ以上ないハッピーエンドでよかった。小手先のテクニックばかりが目に付くこのアニメだけど、堂々とハッピーエンドをやってくれました。アネモネが最後にちゃんと幸せになってくれて、本当によかった。アネモネの「生きていたい」の説得力はすごいよなあ。

*1:いかに今までひねくれた感想書いてたかということだよなあ・・・。ちょっと反省。

*2:もらった花を見ながらアンニュイになってる間に好きになったのか・・・?