青い花 総感

総感かー。

振り返ってみれば全11話という短い作品なのですが、最終回を迎えたときに感じたのは、確かな作品世界の存在でした。よくもまあ、これほど短い時間の中で、多くのキャラクターを立てつつ作品世界を作り上げてくれたよなあ・・・。

ふみ、あきら、井汲さん、杉本先輩の四角関係をしっかり置いて、そこを脇役が固める構図が最後まで一貫していたから、キャラクターが多くても混乱せずに見ることができました。それでいて、各キャラクターが存在感を発揮しているのは本当にすごい。

いわゆる「百合」を扱う作品は、その性質上どうしても耽美的な、現実離れしたファンタジー的世界観になりがち。マリみてのミッションスクールなんかがその典型だよね。もちろんそういうファンタジーも楽しいんだけど、この作品では敢えてリアル寄りに持ってきている印象でした。

ファンタジー的になりがちな世界観を、緻密な鎌倉の描写と抑えた色使いでバランスを取りつつ、演出的にも過度な装飾はせずにカメラワークのみで見せる。ふみの恋愛が、「お姉様ラブ♥」みたいなベタベタさではなく、友情と恋の境界が曖昧な、この年代の女の子の不安定な内面の象徴のように描かれていたのが面白かったなあ。

この物語の盛り上がりとしては、やっぱり「嵐が丘」編の杉本先輩がらみのお話になるんだろうけど、個人的には百合とかよりも9話11話といった少女たちの日常風景がすごく好きでした。ふみの友達の3人娘が女子高生のリアリティを高めていたのもよかったです。


おっと、声優についても触れておかないと。
高部あい、本職の声優じゃないのにふみの声がすごく合ってた。あの淡々として感情のこもらない・・・なんて言ったら失礼か、感情の読み取りにくいふみの内面がすごく出てた。正直言って演技は全然なんだけど、それが逆に良かったというか。グラビアアイドルなんてやらせとくのはもったいないなー。声優になっちゃえ。

あとは、今年なぜか大活躍の儀武ゆう子。まともに声を聞いたのはこいこい7以来という感じだったのですが、あーちゃんの子供っぽさや無邪気さ、そして優しさみたいなものが伝わるいい演技でした。これからアニメに出たりはするのかなー。

はあ

あーちゃんが見れなくなるのか・・・。寂しいなあ・・・・・・。