こばと。 第12話「…銀色の瞳。」

いおりょぎさんの過去話を含めつつ、小鳩との絆を再確認するお話。

「俺は今の呼び名が気に入ってんだよ」

「あいつは本当にドジで常識知らずで」
「いつだって自分のことは後回し。頼まれもしねえのに、他の奴のためにいつもクタクタになるまで頑張って」
「けどな、俺はあいつのそういうしょーもねーとこ・・・嫌いじゃねえんだよ」

「嫌いじゃない」なんて回りくどい言い方してるけど、本当は小鳩のことをすごく大切に思ってる。そして、そう思える自分自身も気に入ってたり。以前の気高くも傍若無人な姿とは変わってしまった自分。他人から見ればカッコ悪い姿かもしれないけど、それを「気に入ってる」と言えるいおりょぎさんは、ちょっとカッコイイ。昔なら決して口にしなかった「頼む」という台詞も、自分のプライドよりも大切なものができたからこそ言えたんだよね。

銀生にしてみればたまったもんじゃないだろうけど・・・。いおりょぎさんが変わってしまったこと自体ではなく、自分よりも大切な存在ができてしまったことがショックなのでしょう。「名前を付ける」回想がちょうど対になってるのも面白い。この辺の話は、今後掘り下げられていくのでしょうか・・・?

そして小鳩。不安な心を映し出したように毒々しい赤に染まった夕日の中、必死にいおりょぎさんを探す姿には心を打たれますね。誰にでも優しい小鳩ちゃんだけど、いおりょぎさんのことはやっぱり特別。

「わたしといおりょぎさんは、いつも一緒です!」

「罰だから」でも「願いを叶えるために必要だから」でもなく、ただ一緒にいたいという思い。そんな二人の思いを丁寧に掘り下げたエピソードでした。

それにしても・・・。花澤香菜、すげーうまくなってる。小鳩ちゃんが超かわいくてもうどうしようって感じですよ。最後の方での「ビン、取り戻してくださって、ありがとうございます」の台詞が特に好き。普段の小鳩のキンキン声とは違った、抑えめの演技が新鮮なのもよかったし、抑えていてもちゃんと小鳩に聞こえるのはすごいよなあ・・・。