こばと。 第10話「…オルガンと少年の日」

先に言っておくと、俺は藤本が嫌いだ。


・・・と言うことで今回は、藤本の昔話。本作品において、藤本は「無愛想だけどいい奴」みたいな描かれ方をしてるけど、ありゃーズルイんだ。だって世界がそういう風にできてるんだもん。藤本に対する無償の愛情を前提とした世界の物語だから、藤本のよさだけが目立って当たり前。

何年も口を聞かなくても、父親が知らない子を家族だと言って連れてきても、文句の一つも言わずに愛情を注いでくれる義理の姉。オルガン引いただけで懐きまくりの子どもたち。どんなにイジワルを言われても嫌いにならない小鳩。そういや、藤本の行動を何でもいい方に解釈してくれる堂本なんて奴もいたっけ・・・。

だから、そういう世界でいくら藤本がいい奴だって話をされても、俺は「めんどくさいガキだ」としか思えないんだよなあ。いや、小鳩に意地悪するから嫌いってわけじゃないんだからね!