鉄腕バーディー DECODE 総感

「なぜ今さら?」と誰もが思った本作。蓋を開けてみれば、実はとっても現代的・・・とまでは行かなかったけれど、全体的な画面作りはいい意味で現代的。ベタベタのオチモノブコメフォーマットながらも、萌えの記号を使わないキャラクターデザインや淡い彩色、「フィギュアスケートをイメージした」と言われる流れるようなバーディーの動きなど、ヘンな言い方だけど「品のある」作画だったような印象があります。
お話は・・・。正直言ってあまり面白くない。ただでさえ1クールという短い時間の中に、バーディーとつとむの話、つとむと中杉さんの話、バーディーの故郷の話、シャマランと謎の組織の話・・・と色々詰め込みすぎていて、おまけに各話ごとにバラバラに話を進めていくので、どうやって見たらいいか全然分からなかった。

特に、中杉さんの立ち位置がすごく微妙。バーディーやシャマランの視点から見ると、中杉さんがつとむに惚れているのが何かの罠かリュンカに操られた感情に見えてしまう。でも、本当は中杉さん本人が好きだったらしいし・・・だとすれば唐突すぎないか??今ふと「つとむを好きだったのはリュンカの思いだったのか?」という仮説がひらめいたけど、「宿体が抵抗している」的なことを言ってたから、その線はないか。もしリュンカの感情であるなら話はキレイにまとまるのだが・・・。

それはそうと。そんな感じでお話がバラバラすぎたところはあるけど、それも最終回の「つとむとバーディーが再び同化する」というラストから逆算して考えると辻褄が合ってしまうのはズルイなあ。

明確な「終わり」を決めて、そこから話を作っていったシリーズ。そのおかげで最後はきれいにまとまっていたけど、もう少し・・・視聴者目線の構成も考えてくれると、中盤の見せ方も変わったんじゃないかな。そこだけは残念です。