神のみぞ知るセカイ 第01話「世界はアイで動いてる」

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どんなギャルゲーでも攻略できない女はいないという、「落とし神」こと桂木桂馬くん。ひょんなことから悪魔のエルシィと共に「駆け魂」とやらを捕まえることになってしまったのだが、その為には3次元の女に恋をさせないといけないらしく・・・。

ギャルゲーオタクの主人公というのは結構ありがちなのですが、3次元には都合のいいヒロインや幼なじみはいないんだよ!それどころか「オタメガ」呼ばわりだよ!というリアルな設定が面白いです。そこからギャルゲーのテクニックを駆使して女を落としてやるぜ的な話になっていくのですが・・・予想以上に真面目なラブコメでしたね。

「ゲーム感覚で女を落とす」というテーマは思いつくのは簡単でも、いざ話をつくろうとすると案外センシティブなんだよね。そんな方法で落とした女に感情移入できるのか?という部分もあるし。今回のお話でいえば、ヒロインの高原歩美さんと毎日の小さな出会いを重ねていくとか、イベント発生のタイミングであるとか、ストーリー的には完全にギャルゲーの文法で進めつつも、そういう説明を過剰にしないでラブコメチックにまとめてきたのがすごい。

ギャルゲー攻略で大切なことって実は現実とあんまり変わらなくて。相手のことを本気で好きになって、相手のことをちゃんと見るってことだよね。髪を結ぶという小さな変化に桂馬が気づくことができたのも、歩美のことをちゃんと見ていたから。

渋々攻略に乗り出していた桂馬くんが、歩美さんに本気でときめきつつも、「3次元の女も悪くない」とか「やっぱり2次元が一番」みたいな台詞を言わないラストの余韻もよかったなー。

キャラクターの話。悪魔っ子のエリュシア・デ・ルート・イーマ、通称エルシィ。厄介事を持ち込んできた割に、対して役に立ってないのが笑える。せいぜい物質を操る能力が便利なくらいで、最終的には桂馬の能力に委ねられるという突き放しっぷりは悪くない。とはいえ全然役に立たないのも、それはそれで存在意義がないよなーと思うので、今後どういう風に個性を発揮していくのか楽しみです。あ、そうそう伊藤かな恵の声も頭悪そうで*1好き。

陸上部の高原歩美ちゃん。元気っ子で、陸上が好きで、でも先輩に嫌がらせを受けていて・・・という女の子。そういえば竹達彩奈、この作品にも出てるんだっけ・・・などと思いつつ見てました。竹達キャラってどうも「実は腹黒」的なイメージを勝手に持っていたので、腹に何もない歩美のキャラクターを、素直に受け取れたのは不思議な感覚でした。「オタメガネ」に何のイヤミも感じさせないってすごいよ。序盤ではイマイチ不安定だったけど、最後の方ではかなり固まってきた感じがしているので、今後も出番があるといいな。

あ、そうだ。スタッフの話を少し。渡辺明夫がキャラデザ、川村敏江作監マングローブが作画というメチャクチャな布陣。バリバリのエロゲー絵である渡辺明夫のキャラデザが現実に出てきたらこうなった、みたいな川村敏江の絵が面白かったです。倉田英之の脚本に監督が高柳滋仁というのもすごく心配だったのですが、今のところはうまく回ってるようでひと安心。一歩間違えば大惨事になりかねないので、もう一段高いレベルで誰かがコントロールしてほしいな・・・と思ったり。

作品の外に不安要素は色々ありますが、作品そのものはすごく楽しかった。次回以降も楽しみです。

*1:褒め言葉ですよ