ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第01話「響ク音・払暁ノ街」

視聴前チェックは[http://d.hatena.ne.jp/kkobayashi/20100103/p2#00:title=こちら]。


ラッパ吹きに憧れて軍隊に入隊した空深彼方ことカナタが、セーズの街の1121小隊・時告げ砦に配属になって、謎の汁をぶっ掛けられたり風呂に入ったり湖(?)にはまったりしているうちに、いつの間にか助けてくれた女の人が指導係になってた!・・・という、よく分からないお話でした。

うーん、2回ほど見返してみると何となく理解できたけど、これ初見じゃ分かりにくすぎないか・・・?俺がバカなのか?特に今回のエピソードの根幹となるべき和宮梨旺ことリオさんとカナタの関係がよく分からないんだよね。リオはカナタのことを最初から知ってるかのように偉そうに声を掛けたりしてるので、多分これは事前に「新入りが来る」という情報を入手してたのでしょう。でもカナタはリオの事を知らないんだよね?

細かいことかもしれないけど、二人の関係性を明示してくれないと感情移入しにくいんだよなあ。人間ドラマをやる気がないってことならいいんだけど、おそらく1121小隊とカナタの人間関係もストーリーの重要な要素になるんだろうから、そこは最初にはっきりさせて欲しかったです。

主人公のカナタさんも、イマイチ魅力がないと言うか。初めて来た街でドタバタに巻き込まれて・・・というお話なのは分かるんだけど、カナタはアホの子でしたというだけでは盛りあがりに欠けるような・・・。「アホの子」の先にあるカナタの魅力に触れる前に1話が終わってしまったのは何とも。

幼い頃、打ち捨てられた廃墟で迷子になったカナタは、
ひとりの女性兵士に助けられました。
その女性兵士の手には、金色に輝くトランペットが。


「軍人さんになれば、トランペットが吹けるんだ!」


ちょっとした勘違いをしたまま、カナタは喇叭手に憧れ、
軍への入隊を決意します。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト

・・・あらすじっていうか、本編でそんな話してないだろ!こういう部分は思わせぶりに暗示したり、お約束として省略したりしちゃいけないところなんじゃないの?この1話でカナタのことを好きになるためのエピソードなんだと思ってたのに・・・。芯になる部分が見えないから、結局は謎の設定をバーンと大量に出されただけのエピソード、としか思えませんでした。


色々文句を言ってしまいましたが、世界観の作り込みはよい感じで、作画もきれい。スペインの城壁都市クエンカとアラルコン要塞をモデルにしたらしいセーズの街の存在感は、完全なファンタジー世界とは少し違った生々しさがあるのもまたよいですね。水をモチーフにした演出と、炎の乙女の伝説が織りなす神秘的な雰囲気も、単なる美少女いっぱいの萌えアニメとは違った面白さがありました。

それだけに・・・お話がもう少しシンプルでわかりやすければ、集中して世界観や演出に浸れたのに、と思うと残念です。「なんだこれ、どういう意味だ?」と、お話の意味を追うことばかり考えて、よく分からないままに終わってしまった感じでした。2回見れば分かることは分かるけど、謎解きアニメみたいに繰り返し見ることで面白さが増すって話でもないでしょうに。