生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録 総感

まとめー。

初回の印象は、「内容もなくカワイイ女の子がだべってるだけのアニメで、申し訳程度にシリアスとかむしろ邪魔っぽい」などと思ってて、まあ結局のところ最後まで同じ感想だったのですが。その点については、あらかじめ覚悟はしていたので純粋にかわいい女の子が出てくるだけで楽しかったですよ。

キャラクターが立っていない序盤は会長さんのラブリーさに和みつつ、段々キャラが立ってからは他の女の子のエピソードも楽しく見れるようになりました。ときどき妙にかわいくなる美夏とか、知弦さんのもきゅーとか、段々壊れていく真冬とか。割とベタなキャラ付けであはったのだけど、それなりに見ていて楽しかったので全然OK。ただひとつ残念なのは、大抵が「杉崎 - 女の子」で会話をするパターンになってて、女の子同士の絡みが少なかったこと。「GA」なんかでは5人の組み合わせが色々変わってて、そういった絡みの楽しさも好きだったので、もっとそういう機会を増やしてもらえると嬉しかったです。

次に、やはり避けては通れないメタ視点について。7話みたいなストーリー構成そのものに対する部分もそうだし、12話みたいなキャラクター配置もそう。ゆるい日常を描きながらも、どこか突き放した視点。これは佐藤卓哉の空気なんだと思ってて、それにノスタルジーさが加わるともう「これは誰かの回想、もしくは創作物語という形式なのでは?」と思えてしまうんだよね。そういう、何とも言えない居心地の悪さが独特の世界観を作っていたような気がします。

作品のテーマについて。12話見てきて思ったのは、9話12話の感想で書いたように「幸せな現在」が全ての軸になってるということ。それって萌えアニメは全部そうじゃね?と思いがちだけど、ここまで徹底的に「今」を取り出している作品は他にないと思う。この作品における現在は、未来へ向かう通過点ではなく、いつまで経っても現在なんだよ。辛い過去も、輝く未来も、全ては現在に繋がってる。その行き場のない閉塞感の象徴こそが、生徒会室であるように思えるのです。

いつかは生徒会を旅立つ日が来るかもしれない・・・なんてことはない。「いつか」などえいえんに来ない。そんな無限の日常をここまで追い詰めつつ、さらに全肯定する作品というのは、ありそうで無かったんじゃないでしょうか。

最後は声優さんの話。今シーズンから投入されてきたプロダクション・エース勢を代表する作品という意味で、声オタの注目を集めた(かもしれない)作品でした。新人ばかりでどうなることやら・・・と心配したけど、思いのほかアニメに馴染んでてひと安心。それぞれがちゃんと個性を発揮しててよかったですよー。ただ、演技力の要らない役が多かったので、この先他の作品に出ても大丈夫かどうか少し心配。特に堀中優希は、独特な声の上に真冬が切れまくってたから、他の作品がやりにくくなっちゃわないかな?と余計なことを考えてしまいます。

それにしても、こうして4人揃えてみると、やっぱり斉藤佑圭が頭ひとつ抜けてるなあ。キャラ付けが一番難しそうな知弦さんでしたが、毎回うまいこと演じてるなーと偉そうなことを思いながら聞いてました。あ、ラジオもオススメですよ!あんまり面白くないけど・・・(笑)

んー、大して書くことないだろう・・・なんて思いつつ書き出したわりには結構書くことあった。なんだかんだ言いつつも楽しかったし、アニメーション作品の形態についても考えさせられる部分がありましたね。