宙のまにまに 第07話「月とキンモクセイ」

俺はねえ、朔みたいな与えられるだけの主人公って大嫌いでね。でも、実は朔自身のことはそれほど嫌いじゃなかったり。


その辺は後に回すとして、とりあえず本編の感想。(何も考えてないっていう話もある)

大学のキャンパスに舞い降りたロリっ子・・じゃなくて、ちびっ子天使。それが草間と美星の初対面だった。根無し草だった草間を町に縛り付けたのが美星の存在だったとすれば、その理由は一体何だろう。そりゃーね、あんな天使がいたら旅行なんて行ってる場合じゃないってのは分かるけどね!!・・・・・・冗談はともかく、美星がかわいいという以上の理由があったはず。例えば、天使の笑顔が失われるような何かが・・・。

美星の方は、朔がいなくなっても元気いっぱいかと思いきや、思いのほか朔に依存しているようで。これもやっぱり単に朔が好き、という以上の何かを感じずにはいられない。草間に言った「何も言わなかったよ」の意味するところは一体・・・。


さて。男のことを考えるのは趣味じゃないけど、しょーがないから朔のことも考えてやる。感謝しなさいよね!

「昨日まで一緒に笑ってた人が、他の時間でも生きてきたことを目の当たりにすると」
「ああやっぱり、って引いちゃう自分がいて・・・こういうのって何なんですかね」

3話の感想でちょっと触れてたけど、朔が今まで目立たないように読書に没頭していたのは、不安定な日常から自分を守るため。推測するに、他人と深く付き合うことによる別れの悲しみを・・・というか、親しい存在と別れることで自分の居場所が崩れ落ちることを恐れていたのでしょう。と、ここまで一般化すると美星との共通点が見えてきたりするのですが、まだ妄想の段階なので、この辺を掘り下げるのは本編で答えが出てからにします。

いずれにしても。朔は自分のテリトリーに対してすごく敏感なんだよね。自分の居場所だと思っていたところは、実は自分がいない時間から存在し続けてきた場所であり、つまりは「よそ者」だったのだと。そういった疎外感から、自分を受け入れてくれる文芸部に流れてしまうのはすごく分かる気がする。実際、文芸部で新しい居場所を確立しつつあったわけだし。

そこから、どうしてまた天文部へ戻ろうと思ったのか。自分を待っててくれる人がいるから・・・っていうのは、すごくつまらない理由だよね。辻褄は合ってるんだけどさ。結局流されるままかい!みたいな。じゃあ、美星が好きだから?それも何か違う気がする。

さっきは「与えられるだけ」なんて書いたけど、本当は朔はちゃんと選んでる。それは小さな選択の積み重ねかもしれないし、受け身的に流されるまま選択した結果かもしれない。それでも、本当にイヤなら断ることもできたはず。美星だって本気で嫌がる人を無理やり誘ったりはしないでしょう*1。そう考えると、やっぱり3話っていうのは朔の内面を考える上で大きなターニングポイントだったのかもしれません。本という内面世界から、星という外面世界へ。そして、その象徴となるのが、星の名を持つ女の子なのです。

まあ、結局のところ、戻ることを前提にした「家出」なんだよね。朔を連れ戻したのが美星じゃなくて姫ちゃんというのがまた面白い。過去の絆の象徴である美星に大して、姫ちゃんは現在の絆の象徴。過去の思い出がなくたって、こうして今の思い出を作ることはできる。・・・なんていうと、姫ちゃんがただの当て馬みたいになっちゃうよなあ。それはそれでどうなの?この子は救われないの?とか変な方向に感情移入してしまいますが。


・・・うーん、いつもはある程度考えをまとめてから感想書いてるんだけど、今回は書きながら考えてるから*2ダラダラっぷりが半端ないな。こういうのもたまにはいいでしょう。楽だし(笑)

  • 今どきの子は「アジアの純真」なんて・・・知ってるか、それは。
  • 羽つきリュック。
  • 「お口チャック」の美星はかわいすぎる。
  • 姫ちゃんのアレは、製作日誌というより交換日記だろ!

*1:・・・多分

*2:何となく、今回は先に考えると書けないと思った