喰霊-零- 第12話「祈焦」

最終回。

「わたしの本当の望み、本当の願い」
「・・・それは、神楽」
「あの子を守りたい」
「あの子を全ての不幸から守りたい」
「あの子を全ての災いから守りたい」
「あの子を傷つけるもの、あの子を危険に晒すもの、あの子に災いをもたらすもの、その全てを消し去りたい」

そっか、黄泉は自分自身で気づいたんだ。そして、憎しみに支配されようとする自分に打ち勝ったんだね。本当に強い子だなあ・・・。

愛情と憎悪、相反する感情。そして感情を越えた先にある、たったひとつの思い。憎しみも、愛すらも超える強い思いがあるのなら、それは何者にも支配されない力となる。黄泉にとって神楽は、そういう存在だった。

「神楽まだ若い」
「人の心を捨てる、まだ早い」
「だが、この痛みを背負って生きるにも、まだ若すぎる」

そして、黄泉の思いを受け取るにも神楽はまだ若すぎる。いつか黄泉の本当の思いを理解できるように、神楽は黄泉のことをずっと忘れないでいてください。