テレパシー少女 蘭 第21話「翠とおばあさんの夢」

19話に出てきた、翠とバイオリンの謎が明らかになる回。翠のエピソードは毎回泣かされてしまう・・・。この子は、本当に色々なものを背負っているよね。だからこそ、蘭という存在に出会えた奇跡に感謝したいです。

翠のバイオリンは、お婆ちゃんとの絆の象徴。そして、大好きな人に裏切られた記憶の象徴。孫を「化け物」と言ったトメさんと、お婆ちゃんに「化け物」と言われた翠が、お互いを通して伝えられなかった思いを口にするのは何とも切ない。ただ、それが単なる代償行為ではなく、自分自身の体験と重ねて救われる形になっているのは優しいお話でした。

最初は翠のお婆さんが「化け物」と言ったのは翠の勘違いだったのかな・・・と思っていたけど、本当に「化け物」と言ってたとは。でも、そうやって「勘違いでした」と根本的なトラウマから目を逸らしたりしないで、孫ですら化け物呼ばわりしてしまう人間の弱さと、そんな弱さを乗り越える肉親の愛情の強さを見せてくれる。どうでもいい話も多いけど、こういうところは真摯な作品だなーと思うのでした。