マクロスF 総感

結局のところ、良くも悪くも「マクロス」の呪縛から逃れられなかったな、という印象。

アニメファンの、アニメファンによる、アニメファンのための作品として、作り手の異様な熱気が伝わってきたエポックメイキングな初代、ロボットアニメにおいては異端中の異端・戦わない主人公がメインのマクロス7菅野よう子という天才の作り出す歌とCGが新しいアニメの可能性を見せてくれたマクロスプラス。自分にとってのマクロスとは、ただ歌や三角関係が出てくるロボットアニメというだけじゃない。アニメーションという表現に常に挑戦し続け、新しい可能性を見せてくれる作品でした。

パロディーが多々出てくる序盤から嫌な予感はしていたのですが・・・本作品は「マクロスらしさ」を意識するあまり、結局その枠を超えることができなかったように思えます。最も印象に残ったエピソードが12話だったというのは今となっては皮肉な話。

もちろん「その枠」の範囲では、キャラクターの魅力や歌の魅力、バトルシーンの見ごたえなど、水準を大きく上回る名作と言っていいとは思いますが・・・。いや、単に俺が、想定する視聴者像から外れていたということなのか。

そうそう、クランがマイクローン化するとロリキャラになる、という発想はすごかったな。ベタなようで新しい。ありそうでなかった現代らしくて面白い設定だと思いましたです。それだけに、クランには幸せになって欲しかった・・・。

追記

ちょっと前に流行した、「70年代アニメを現代の技術で再現する」的な試みを思い出した。そう考えると、「マクロス」という題材に現代アニメの技術の粋を詰め込んだ、ある種のお祭り・ファンイベントとして見るべきなのかもしれません。確かに「マクロス」という題材は現代アニメ的ではあるよなあ。