恋姫†無双 第12話「関羽、志を貫くのこと」

愛紗と鈴々の旅は、まだまだ続くのでした。

最終決戦というにはあまりにも小規模な、多くの戦いの一つに過ぎないエピソードではあるんだけれど・・・。その中に多くのドラマが隠されているというのは、キャラクター多すぎという作品の設定をうまく使っているよなあ。女の子いっぱいでサービスいっぱいのギャルアニメのはずなのに、キャラクターの台詞や行動の一つ一つにちゃんと重みがあって、たった一言に多くの意味を感じられました。

「私の志は、真に愛するに足るものを守り抜くことだ!」

志を貫いて村に戻る関羽はもちろん、誤解とはいえ親の敵であるはずの曹操に土下座までしてしまう馬超の友情、そして張飛孔明が心を通じ合わせる瞬間。

「愛紗は、鈴々に『留守を頼む』と言ったのだ」
「だから鈴々は、絶対に村を守るのだ」
「そして、村の子たちと一緒にお花見するのだ」

「朱里、あとを頼むのだ」

張飛関羽に対する思いが表れているのもそうですが、やはり名前ネタには敏感に反応してしまいます。これまで頑なに真名を呼ぶことを拒み続けた張飛が、初めて「朱里」という真名を呼ぶ。今まで孔明のことを真名で呼んだのは、育ての親である水鏡さん以外にいないんだよね。関羽も「孔明どの」とか呼んでいるし。それだけに、張飛が「朱里」と言った意味は大きいと思います。この短いやり取りの裏にある数多くのドラマを考えると、何とも感慨深い・・・。

盛り上がるバトルを入れれば最終回ってわけじゃない。それっぽいエピローグを入れれば最終回ってわけでもない。最終回が最終回たる所以は、今まで着実に重ねてきた伏線やドラマが一つに結実することだと思います。バトルやエピローグは、ドラマを盛り上げる舞台装置にしか過ぎないわけで、その意味で今回は文句なしの最終回といえるでしょう。

ただ、もう少し彼女たちの活躍を見てみたいと思うのは・・・。アニオタの欲望には限りがないな、と我ながら苦笑するばかりです。