乃木坂春香の秘密 第01話「もう、ダメです…」

まままま松来さん!?

きっと世間では能登麻美子がフィーチャーされているだろうから、ここは敢えて松来未祐のはっちゃけぶりを推そうではないか。一瞬別のアニメかと思ってしまう「ドジっ娘アキちゃん」から上代由香里さんの弾けっぷりまでの流れが素晴らしすぎる。ひだまりスケッチも驚きのテンションに、思わずテレビの前で叫んでしまいましたよ。俺が真面目に追いかけてないだけかもしれないけど、松来未祐がアニメの場でこういうテンション高い役をやるのは少ない気がする。もっとこの辺の才能を引き出してもらえる作品に恵まれればな・・・と思ってたり。百合声優だと思ってる人もまだ多いんじゃないかなー。

そんなわけで本編ですよ。絵はかわいいし、ちょっとエロいし、乃木坂春香さんと主人公の裕人がちょっとずつ仲良くなっていくのもベタだけど気持ちいいなあ。乃木坂春香と裕人のボーイミーツガールに的を絞って、裕人の家族たちを初めとした脇役たちはほとんど説明がないという切り捨てっぷりも大胆で、とてもキャッチーな一話になっていたのではないでしょうか。

一通りほめたところで区切っておこうかな。あまり人に見せる文章でもないし。


乃木坂春香は隠れオタだった、というのが秘密の中身らしい。乃木坂さんにもうちょっと感情移入できていれば「水の戯れ」と引っ掛けて何かポエミーな言い回しでも捻り出そうかなどと思ってましたが、高校時代にリアルで隠れオタだった俺に言わせれば全然甘い。

隠れオタってのは、あんなものじゃないよ。ぬるいオープンオタのトークに憤りを感じたり、歪んだ優越感に浸ってみたり、信頼できる仲間にすら本当のことを言えず、「壁を作ってる」とか言われたり、アニメを見るために友達や女の子ちゃんの誘いを断って不興を買ったり、でも理由を正直に言うわけにもいかず、じゃあカミングアウトするかと言えばそんな勇気もなく、かといってオタク趣味をやめられるわけもなく・・・。
土日は録画したアニメを見るので潰してしまったり、とっくの昔に放送が終了してしまったマクロスの情報を求めて東京中の古本屋を回ったり、音源を捜して東京中のCD屋を回ったり、ビデオをレンタルしてるレンタル屋を探し回ったり。今と違ってインターネットもそれほど普及してない時代だから、情報を得るのは足を使うしかなかったから、それこそ東京中を回ったよ。本当に欲しいものなら、そのくらいやって当然。それを手近でリスキーな学校で済ませようっていう性根が許せない。しかも、延滞したら大々的に張り出されることを知っていながら延滞するという愚を犯すなんて。理解できない。本気で隠したいと思ってるんだろうか。学校の人たちにばれたくないのに、どうしてわざわざ足のつくような愚行をするのか。そんな覚悟でやってる隠れがばれたからといって、何の緊迫感も伝わってこないよ。同情もしない。
綾瀬裕人も何だ。「僕はオタクに興味ないけど理解はありますよ」みたいなこと言って、表面だけはいいこと言ってるように見えるけど、全然オタクの本質を理解してないじゃないか。

「乃木坂さんは乃木坂さんだろ」

「趣味なんか個性の一部だし、肝心なものはもっと根っこの方にあると思うし」

ふざけんなこの野郎。趣味「なんか」個性の「一部」だと?「肝心なもの」だと?アニメ以上に「肝心なもの」って何だよ。「乃木坂さんは乃木坂さん」というけど、アニオタを形成しているのはアニメなんだよ。それを無視してアニオタと向き合えるわけがないだろ。「アニメが好きだろうと何だろうと、乃木坂さん自身が好き」みたいなことになるんだろうけど、そして、それはキレイな言葉として受け取られるんだろうけど、俺に言わせればアニメ抜きで好きになってもらった自分なんて、意味ないとまでは言わないけど・・・本当の自分ではない。アニメが好きな自分こそが「本当の自分」なのであって、アニメとは独立したところにあるわけではない。もしあるんだとしたら、それはその人がアニオタではなかったということだ。