ef - a tale of memories. 第04話「honesty」

今回は割と普通のエロゲーアニメになってた感じ。紘パートは「自分が見ている世界に足りない色」とか「やっぱり『おいしい』って言ってもらえると作った甲斐があるよね」とか、みやこの登場で色が付く世界とか、あからさまな分かりやすさで逆に何か見落としてるものがあるんじゃないかと不安になる。このまま普通に進んでいくんだろうか・・・?
蓮治パートはまた・・・。ほのぼの進むのかと思いきや、最後がまた。俺は千尋シナリオ(?)の演出が好きすぎる。こういうの見せられると色々考えてしまうんだよね・・・。紘パートの分かりにくい「分かりやすさ」と対称的な、分かりやすい「分かりにくさ」。2つの話が頭の中をぐるぐるして色々余計なことを考えてしまいます。
「夢は見るものではなく叶えるもの」とはよく言われる話ですが、千尋にとって夢とは、以前の自分と現在の自分を繋ぐたった一つの拠りどころ。夢は夢であるうちが一番美しくて、叶うと叶わないとに関わらず、夢を現実にしてしまってはいけないのですよ。現実として認識してしまった時点で夢は夢でなくなってしまうのだから・・・。
「じゃあ新しい夢を作ればいいじゃない」と言う人がいるかもしれませんが、それはかつての夢=「事故以前の自分」そのものを捨てるということ。今の千尋に過去の自分を捨てて現在の自分を受け入れるだけの力があるかと言えば・・・多分、ない。千尋は夢を夢のまま見つづけることで、現在の自分に過去の自分を繋ぎとめていたのでしょう。
「わたしが本当に怖いのは、自分の記憶が消えることではなく、みんなの記憶から忘れられることなんです」という千尋の台詞のように、他人の記憶の蓄積によって存在が認識されるのだとしたら、永遠に13時間の「現在」を繰り返すだけの千尋にとって事故以前の自分は唯一のアイデンティティ。それを物語と言う形で昇華し、現在の自分と同一化(identify)させることが・・・蓮治と一緒なら・・・できるといいですね。