ながされて藍蘭島 第26話「飛び出して、藍蘭島」

「ワガママだってわかってる!こんなこと、しちゃいけないって・・・わかってる」
「でも行人と会えなくなるなんて、イヤだよ!!」

まさか、この年になって堀江由衣の演技に泣かされるなんてな・・・。フルバでも泣いたりしなかったのに*1。でも、だからこそアニメは面白い。
そんなわけで最終回ですよ。時間が余ったから見ようかなーと軽い気持ちで見てたのですが、このアニメに変な方向に思い入れてた俺も大満足の最終回でございました。すずという女の子の、シリーズを通しての完成形。不可抗力で藍蘭島へ辿りついた行人が自らの意志で藍蘭島へ「帰っていく」ラスト。ここまで期待通りのドラマを見せてくれるとは・・・。
このアニメを支える二つの軸。恋を知らないすずが恋の味を知ると同時に、他人を気にするあまり自分のワガママを通せなかったすずが家族の存在を通してワガママがいえるようになる=本当の自分を解放する。一見バラバラに見える二つの要素は、行人の存在によって「すずの内面」と「すずの外面」を結んだ一つのテーマとして見えてくる。恋愛の根本にエゴが存在するのだとしたら、最後の最後に「行っちゃヤダ」と自分のワガママを通した瞬間、「すずの恋」と「自我の解放」という二つが結びつくことで物語としての最高潮を迎えるわけです。その意味ではこのラストは必然の帰結であり、行人ではなくすずの物語だったという構成の結末なんだと思います。
「すずの内面」「すずの外面」と言いましたが、すずの問題は彼女自身の問題であると同時に、彼女だけの問題じゃない。内面的解決→外面的解決というのはエロゲー等でよくある構成だけど、このアニメは順序が逆、またはコンカレントに働いているのが面白い。類型的なキャラクターにも関わらず、すずという一人の女の子として色々な視点から描きだす構成には驚かされるばかりです。

  • 美咲ちゃん、清水理沙って・・・誰?これはひどい
  • 行人、もうひとつの藍蘭島へ行かなくてよかったね。
  • でもアレじゃあハーレムが恋しくて帰ったみたいだけど(笑)

*1:堀江由衣の演技では