僕等がいた 第21話

いやいや七美ちゃん、セックスなんていつでもできるでしょうが!セックスと親とどっちが大切なんだよ!

・・・と誰しも思うでしょうが、というか俺もそう思うのですが、七美ちゃんの立場で考えると擁護の余地がないでもない。

恋をすると文字通り「世界は二人だけのもの」になってしまうんだよね。だから「自分のピンチ=世界のピンチ」であり「セックスができなくて寂しい」と「親が危篤で寂しい」が同じレベルに見えてしまっているんです。傍目に見たら何をバカなって感じだけど、世界の全てを捨てても自分を選んでほしいって思ってしまうのも仕方ないんだよなあ。その思いは、恋愛中よりもうまくいってからの方が強くなったりするのもリアルですね・・・

でもなー。矢野しか頼れる人がいない山本さんも、山本さんを放っとけない矢野も、自分の心に正直な竹内くんも悪くないとすれば、必然的に悪いのは矢野を信じきれない七美になるんだよなあ・・・。「やり直すって決めたからには貫き通す」とか言った先からこのザマですよ。予想はしてたけど。こういう場合は「矢野を信じられないのは自分を信じられないから」というヨミが入るものなんですが、七美ちゃんの場合は・・・彼女に関しては驚くほどコンプレックスのようなものが描かれないんだよね。

あさっての方向。みたいに、コンプレックスを背景に緻密な構成を組み上げるタイプのアニメと違って、これはポエミーなモノローグとキャラクターのセカイを見せるタイプのアニメなので、いまいち読みづらい。このアニメがセカイ系なのは省略技法を駆使した演出からも明らかなのですが、七美ちゃんの場合それが顕著すぎて、今ひとつ彼女の心の中を読み解くのが難しかったりします。論理で読めないから感情で読むしかないんだよねー。女性の立場として、七美ちゃんみたいな子に共感はできるものなんでしょうかね?

まあ、そんなことはともかく。山本さんをギュッってやる役はぜひ俺がやりたかった。矢野うらやましすぎる・・・。なんかさー、心が弱ったときに頼りになったせいか、山本さんが妙に素直になってるのがもうかわいくてかわいくて。やっぱ山本さん萌えすぎるんだけど!!なんでこの子のお当番回がないんだ。番外編でも何でもいいから主役の話が見たいよお。余り物がくっつく法則で竹内とくっついたりしたらどうしよう・・・。