半分の月がのぼる空 第06話「僕たちの両手は」

んー、まあ、6話だからこんなもんかな。大きな話は期待できないけど、短い話の中でよくまとまっていたのではないでしょうか。ちょっと感動した。

何と言うこともない、いわゆるギャルゲーでいう病弱な子の1シナリオに過ぎないんだけど、里香のかわいさでかなり底上げされたような感じ。裕一はどうも突飛な行動が多すぎて・・・。でも、里香を一途に思いつづけるところや、突飛とはいえ行動力もあるところは好感が持てました。いわゆるハーレムアニメの軟弱な主人公って大嫌いなので*1、里香の話一本に絞ったこのアニメは地味ながらも好きな作品だったと思います。

さて今回の話。明かされる夏目先生の過去と、里香の今後のお話。夏目先生の話と裕一の状況との関係がいまひとつ掴めなくて、夏目が裕一に当り散らしてるのは何なんだろうとか思ってしまいました。奥さんを見捨てた自分と伊勢を出ようとしている裕一を重ねたのかなあ・・・。それとも「自分と出会わなければ奥さんは幸せになれた」とか思ってるのかな?

あと、「私のために、何もかもあきらめなきゃいけなくなるよ」とか「女ってのは」とか「幸せにしてやる」とか、どうも古い価値観で話を作ってるような部分があって、その辺も気になったり。ただこのアニメの時代設定自体が古そうで、小説の引用とかで昭和の純文学っぽい雰囲気を作ってるので、そういう意味ではマッチしてるといえなくもない、かも。

・・・とまあ色々と文句もありますが、基本的には高橋美佳子のかわいさと裕一の一途さと若さが気持ちいいアニメでした。二人の時間はきっと長くはないけど、精一杯幸せになって欲しいと祈らずにはいられません。

「そんなに長くはないよ」
「でも、短くもないよ」

この台詞はちょっと来ました。一生を添い遂げるほどは長くない、けど一時の恋心で終われるほどには短くない。そんなリアルな二人の時間が見えてくる台詞。残された時間は決して多くはないけど、自分の死が裕一の心に深い傷を負わせるには十分な時間。その覚悟が裕一にはあるのか、と問い掛ける台詞。ポジティブに考えれば、長くは生きられないかもしれないけど、今は確かに生きているんだから精一杯生きようとする前向きな台詞。この辺の言葉の選び方は、さすが原作小説だなあ・・・。

このアニメのタイトル。「半分の月」の暗示するところは、半分の命、半分の心、半分のクールといったところでしょうか・・・。

なんてね。

  • みゆきさんの相変わらずの空気読めないっぷりにはもう。
  • お母さん見てるのに大胆告白!

*1:天地とかね