謎の彼女X 総感

よだれを舐めると心の中が分かる、というよく分からないテーマで最後まで持ってったなー。いつの間にかよだれを舐めることを当然のように受け止めてしまってる自分がこわい。

よだれがどうのこうの、というネタの勢いはもちろんのこと、椿くんの童貞妄想丸出しな欲望を卜部さんにぶつけまくってるのもニヤニヤしちゃいますね。

20年前かよ!という作画の古臭さも、ある種のノスタルジーを感じさせて案外悪くなかったかも。何だろう、河原で濡れたエロ本を見つけた時のような。ああいうところで見つけるエロ雑誌って妙に垢抜けない感じだったりしません?しませんか。。にしても、今の時代によくああいう絵が描けるな、さすがプロ。とか妙なところで感心してしまいましたよ。

そう言えばヒロインの吉谷彩子。なんでまたこんなアニメのヒロインに・・・?と思ったりもしますが、謎めいた卜部さんのキャラに声優らしくない演技が意外と合っててよかった。声優らしくない、けど素人という感じでもない、という不思議な感じで、たまには実写系の役者さんに声をやってもらうのもいいなーと思ったりするのでした。実際のところ、卜部さんを演じるとしたらどの声優がいいだろう?と考えるとすごく難しいよなあ。

「よだれを舐める」という変態的フェティシズムから始まった作品でしたが、そういう変態性を全面に押し出すというより、それも含めた思春期のオトノコノコの妄想と謎めいた女の子の青春ストーリー的なお話としてまとまっていたのは素晴らしい。「こいつらはこんなに変態なんだぜ!」という訳でなく、かと言って「こんなに変態な生活が日常になってる俺たちマジカッケー」でもなく、変態なことを自覚しつつもそういう二人なんだ、という説得力を積み重ねていく構成。

・・・うーん、何か書いてるうちにベタ褒めみたいになってきたぞ。や、そんなに特に好きってわけじゃないんだよ?予想してたよりずっと面白かったので、どうしてもギャップが感想にでてきてしまうんです。でも楽しかったのは事実。初回の取っつきにくさを乗り越えてしまえば、かなり楽しめました、