「日常」 総感

京アニで一番面白いアニメは何?と聞かれたら答えに詰まるけど、一番好きなアニメは何?と聞かれたら、迷いなく「日常」と答えるね。

開始当初は今ひとつ楽しみ方が分からなくて、どうしたもんか・・・などと思っていましたが、考えてみればシュールな短編作品って俺の大好物なジャンルなんですよ。好きにならないはずがなかったんだ・・・・。

出てくるキャラクター達がみんな個性的で、可愛くて、それはシナリオや声だけじゃなくて全身で動きまわる作画の芝居も含めての可愛さで、この作品を京都アニメーションが手がけたことに感謝です。

とはいえ、全てのネタが面白かったということでもなくて。勢い余って滑ってるなーという話もあれば、元々のネタが微妙なんだろうなーという話もありました。特にアニメスタッフの頑張りが直接見えてくるようなダイナミックさを感じるほど、反比例するように面白くなくなっていく話は良くも悪くも京アニやね・・・みたいな部分はありました。

しかし、じゃあ好きなエピソードだけ並べればもっと楽しくなったのか?と言われると、決してそういうワケでもないんだよなー。微妙なエピソードもあれば、大好きなエピソードもある。そういうメリハリもまた作品の魅力だったのでした。いくら美味しい物でも、そればっかり食べてたら飽きちゃうからね。ネタの選び方がそのまま全体としての緩急になってるのは偶然なのか必然なのか、どちらにしてもすごく心地良かったです。

1クール過ぎた辺りからはすっかり大好きになってしまって、飲みながら「日常」を見る時間が毎週すごく楽しみでした。2クールやるって聞いたときは嬉しかったなあ・・・。その分、2クール終わってしまった今がすごく寂しいのですが・・・。

そもそも万人受けしないだろう原作自体から始まり、アニメスタッフの空回り、謎のニコ厨媚びなヒャダイン抜擢・・・など、欠点を挙げればきりがない作品ではありました。しかし、そんな欠点を補って余りある世界観の心地よさ。この作品と過ごした日々は、まさしく自分の「日常」そのもの。

たとえ世界のどこにいようとも、そこにアニメがある限り「日常」はちゃんとあるんだよ。そんな当たり前のことを改めて教えてくれた作品でした。

アニメが好きすぎてあまり触れる気にならないんだけど、R-15で触れといてこっちで触れないのはフェアじゃない感じなので声の話。

やはり個人的には本多真梨子ですね。「生徒会の一存」を見ていて、この子はもっといけるよ!と思っていたのが、こんなに早く化けるとはねー。今だから言うけど、くりむの演技はホントつまらないんだ。それが口惜しかっただけに、初回を見た時の喜びようったら無かったですよ。ルックス的には特に美少女って訳でもないゆっこがこんなに可愛く見えたのは、間違いなく本多真梨子の魅力。

あとは堀川千華の妙な説得力ですかねー。元ホーリーピーク、って言うだけで俺好みな雰囲気が漂っています。橋本まいとか山岡ゆりとかもエースに移籍すれば仕事増えるんじゃないかな!そうすれば俺は大喜びだよ!

角川さんは今まで京アニ作品にはエース声優をあまり押しこんで来なかったので、それを全面に押し出してきた本作品は正直いって少し不安だったのですが、蓋を開けてみれば普段名前を目にすることの少ない声優さんの新鮮さ、それでいて作品にピッタリ合った演技の面白さを見せてくれました。